歯科医院にとって、然るべき集患施策を打ち出す事も重要な経営戦略の一つです。スマートフォンの普及が進んだ今では、初めて行く歯科医院を選ぶ際に、インターネットで検索し情報をチェックする患者さんが多いでしょう。そこで役立つのが、MEO対策です。
MEOとは、Map Engine Optimization(マップ検索エンジン最適化)の略で、GoogleMAPなどの地図検索で上位表示されるように対策することを指します。
本記事では、歯科医院がMEO対策を行うメリットと具体的な方法について解説していきます。
歯科医院でMEO対策を行うメリット
ネットでの集患力が向上
スマートフォンでは、SafariやChromeなどのWEBブラウザ、またはGoogleMAPなどのマップアプリを使用した検索が主流です。その為、それぞれの検索結果で上位に表示されるほど、自院の認知性が上がり、集患力につながります。
マップ検索や、マップアプリへの遷移機能を持つブラウザでの検索順位を上げるにはMEO対策が必要ですが、施策がうまくいくと検索した人の目に触れる機会が多くなり、自院の認知性があがるだけでなく、口コミや新着情報を見た患者さんの関心を引く事もできて、より強い来院動機を生み出します。
競合との差別化を推進
どのような患者さんに向けて歯科医院をアピールしたいか、という方向性を定め、競合医院との差別化を図り、MEO対策を行うことで、自院を選んでもらえるようになっていきます。
例えば、地域密着型の集患を目指したい場合には、地域に特化したキーワードや周辺患者層に訴求するキーワードを設定することで、地域での集患を伸ばしていく事ができます。
歯科医院のMEO対策方法
対象にGoogleを選ぶ理由
2022年末の総務省調査では、スマートフォン利用者の7割以上がGoogle検索を利用しているという報告があがっています。
また、Google検索結果には調べたお店の詳細情報をGoogleMAPで見るように促す機能も用意されているので、この2つで自院が上位表示される様に、MEO対策を行う事が効果的な事が分かります。
Googleビジネスプロフィールの登録
Google及びGoogleMAP検索に対してMEO対策を行うには、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)に医院情報を登録する必要があります。
次に基本的なビジネス情報として、医院名、住所(所在地)、電話番号、診療時間、定休日、ウェブサイトなどを、正確に入力していきます。
他のSNS(FacebookやInstagramなど)を運用している場合には、Googleビジネスプロフィールに登録する内容と整合性を持たせる事も重要です。それぞれの媒体で情報が違い、整合性が取れない場合には、検索エンジンの信頼度が下がり、Google検索で上位表示されない原因となるので気を付けましょう。
Googleビジネスプロフィールは無料で作成する事ができます(※)。さほどお金や手間をかけず簡単にできる施策なので、まずは気軽にトライしてみると良いでしょう。
定期的な情報更新
Googleビジネスプロフィールは一度情報を登録したら、それで終わりではありません。診療時間や休診日、キャンペーン情報など、変更があれば新規の投稿や修正を行い、最新の状態に保つように心がけましょう。
Googleビジネスプロフィールで「最新情報」を投稿するほか、写真や動画の掲載を増やすなどの施策も効果的です。検索エンジンへの信頼を高め、上位表示を狙うとともに、情報を見た人からの信頼・安心感も同時に獲得していきましょう。
ローカルキーワードの活用
患者さんが歯科医院を検索する際は、差し迫った診療の必要があって、家の近くの歯科医院や、専門科目の歯科医院を検索する様なケースが多いでしょう。
その様な患者さんから自身の医院を見つけてもらうのに役立つのが、ローカルキーワードです。ローカルキーワードとは、人々が地元の製品やサービスを探す時に検索で用いるキーワードの事を言います。
例えば、親が子供の虫歯をチェックしたい・なるべく家の近くで済ませたい、と思った時には、「〇〇町 歯科医院 小児」などと、自分の住んでいる住所と目的を含めたワードで地元の歯科医院を検索したりしますが、この様に検索される可能性のあるローカルキーワードを調査し、そのキーワードの検索結果で上位表示される様にMEO対策で意識すると、自院を見つけてもらいやすくなります。
具体的にはSEO対策と同様、歯科医院のウェブサイトやブログ記事にローカルキーワードを盛り込むと、Googleやマップ検索時に評価され、狙った語句で上位表示される様になります。もちろん、Googleビジネスプロフィールに登録する歯科医院の情報も、ウェブサイトの内容と整合性を保つように意識しましょう。SEO対策については以下の記事で詳細をご紹介しています。
口コミの収集
患者さんからのGoogleへの口コミを積極的に収集し、返信することで、Googleビジネスプロフィールに登録した医院への信頼性が向上し、検索エンジン対策のみならず、その情報を見た潜在患者さんにも良い印象を与え、集患力向上につながります。
患者さんに満足して頂ける診療を提供することで自然な口コミが増える事が一番ですが、中々集まらない場合には、会計時に口頭で口コミをお願いしたり、QRコード入りのポップを受付に用意し、スマートフォンで読み込むとすぐに書き込みできる様にするなど、投稿しやすくなる工夫をすると良いでしょう。
口コミの増やし方や返信の方法については下記の記事でもご紹介しています。
効果を測り、PDCAサイクルを回す
MEO対策は、一度行っただけで効果が得られるものではありません。常に最新の情報に更新し、継続的に取り組むことで、効果を発揮していくので、もし望むような効果が得られない場合には、企業で良く用いられるPDCAサイクルを意識してみましょう。
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのプロセスを繰り返し、業務効率を改善するフレームワークの事を言います。
評価を実行するにあたり、MEO対策の効果を詳しく測定するには、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを活用すると良いでしょう。ウェブサイトへのアクセス数やキーワードの検索ボリューム、コンバージョン率などを分析することで、効果と改善策を検討することができます。
測定の準備や結果分析にはある程度の知識も必要なので、そこまで時間をかけられない場合には外部の専門家に一任するのも良いでしょう。
ちなみに、Googleビジネスプロフィール上でも「パフォーマンス」ツールを利用する事で、
- ビジネスプロフィールの閲覧ユーザー数(デバイス別)
- ビジネスプロフィールの表示につながった検索語句と検索数
- 登録したウェブサイトへのアクセス数
- 位置情報から店舗の行き方をリクエストしたユーザー数
- 直接電話をかけたユーザー数
などの簡単な効果測定が可能です。
※2024年7月現在の情報です。記載サービスは名称変更・有料になる事もあるので予めご了承下さい。
歯科医院でMEO対策を行う事の有用性と、具体的な方法についてお話しました。
世間のスマートフォン利用率や医院検索の在り方を考えると、MEO対策は歯科医院の集客力向上のために必要な施策と言えます。
解説した様々な対策を講じることで、より多くの患者さんの獲得につながります。継続的な取り組みを行う事で、競合に負けない、選ばれる医院を目指しましょう。
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