歯科開業全般

歯科開業時の保健所検査!チェックポイント

歯科開業保健所検査のポイント
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歯科医院の開業は、開設届さえ出せば開始できるわけではありません。開設届提出後には、地域によっては保健所の立入検査があります。不備があると指導を受け、改善しなければ場合によっては届出が取消になる場合もありますので、事前に検査内容をきちんと把握しておきましょう。

どのような内容がチェックされるのか、立入検査のタイミングがいつになるのかは、地域管轄の保健所によって異なります。事前相談の時にはかならず、立入検査と副本の発行について確認をしましょう。

それでは、よくある検査例をみていきましょう。

歯科開業時の立入検査によくみられるポイント

検査内容のうち、歯科に必要な部分を紹介します。

※立入検査内容は管轄保健所によって異なるので、実際立入検査をされる場合は、管轄保健所へ必ず問い合わせてください。

チェックポイント:全般

  • 医療従事者(免許の確認)
  • 医療法の手続き(許可、変更など、必要に応じた所定の届出)
  • 医療の情報提供(医療情報ネットなどの登録・変更)
  • 広告(違反がないかどうか)
  • 院内掲示

院内掲示は、医療法第14条に基づき、患者さんに知らせるべき必要最低限の事項について、診療所の入り口や受付、待合室の見やすい場所に掲示されていることをチェックされます。管理者の名前、診療に従事する歯科医師の氏名、歯科医師の診療日と診療時間を記載し、掲示しましょう。

広告については「歯科広告最大の注意点!医療広告規制を徹底解説」でも触れていますが、医療広告規制に違反のないように注意が必要です。

チェックポイント:医療安全管理

  • 医療安全管理(指針、研修)
  • 院内感染対策(指針、研修)
  • 医薬品の安全管理(毒劇薬との区分、責任者の配置、手順書の作成、研修)
  • 医療機器の安全管理(責任者の配置、研修、点検)

危機管理できているかどうかが焦点となります。防止のための措置が行われていれば事故は未然に防げますし、万が一事故が起きた時にもすばやく的確な対応ができます。

医療安全対策マニュアルを作成し、事故防止のための管理をしっかりと行いましょう。もちろん、スタッフ全員が実行できなければ効果があげられません。そのため、安全管理については周知させることができる体制を整えておきましょう。

チェックポイント:帳票・記録

  • 診療録
  • 照射録
  • 処方せん
  • 歯科技工指示書

記載の確認や保管だけでなく、保管管理の期間にも注意が必要です。診療録は5年、処方箋、技工指示書は2年の保管が必要になります。

チェックポイント:業務委託

  • 滅菌消毒
  • 医療機器の保守点検
  • 洗濯
  • 清掃
  • 感染性廃棄物の処理

委託業務についても、医療安全に関わりがあります。契約書や管理体制について確認しておきましょう。感染性廃棄物については、都道府県知事等から許可を受けている資格のある業者と委託契約をしているかどうかチェックされます。契約は必ず書面で残しましょう。

チェックポイント:防災体制

  • 消防設備の点検
  • 避難訓練の実施

患者さんや、スタッフのためにも必要な事項です。しっかりと対応しましょう。

チェックポイント:放射線管理

  • 管理区域の表示(人がみだらに立ち入らないようになっている)
  • 放射線障害防止について必要な注意事項の掲示
  • エックス線診療室の標識
  • 使用中の表示
  • 障害防止措置(防護用具、取扱者の被ばく測定器具等)
  • 事故の場合の措置

エックス線の取扱いについては、薬機法をもとに取扱いの基準が定められています。

レントゲンは治療の上で必要な撮影機材ですが、取り扱いを誤り被ばくなどの重大事故を引き起こしてしまったら大変です。人の健康を預かる場所であることを十分に意識して、決められた規則通りに対応しましょう。

チェックポイント:構造・設備

  • 診察室
  • 待合室
  • 歯科技工室
  • エックス線装置
  • 調剤所(薬品庫)
  • 消火設備

診察室は他の施設と区切られているかどうか、技工室には防塵設備があるかどうか、などといったことがチェックされます。届出内容と違いが無いように気を付けましょう。

チェックポイント:その他

  • 個人情報の保護

診療情報は患者さんの個人情報にあたります。情報漏えいが起きないように、管理体制を整えておきましょう。

立入検査の方法や日程は、所轄の保健所によって違いがあります。実際に検査官が立入検査におとずれる場合もあれば、ない場合もあります。また、保険診療を始める際の保険医療機関指定申請書の提出締切日は都道府県によって違いがあるので、厚生局のホームページで期限の確認をしておきましょう。届出が締切日に間に合わないと、開院日を遅らせなければいけない可能性もでてきます。

開設届の流れについては「歯科医院開業時の保健所届出の流れと注意点」をご参考ください。

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