歯科開業全般

歯科開業準備中の引越しはOK?自宅と医院住所にまつわる住所変更の手続き方法と注意点

開業時の自宅や医院住所の変更手続きの注意点
この記事は約6分で読めます。

歯科開業地は必ずしも今住んでいる場所の近くになるとは限りません。学生時代親しんでいた場所であったり、今の勤務地付近であったり、実家に近い土地であったり、決め方は人により様々です。

その様な場合、開業日が近くなってから開設する医院の近くに引っ越す事も多く、開設者の住所が開業直前に変わる事になります。また、開業場所によっては医院の正式住所が中々定まらず、開業後に医院の住所変更を余儀なくされるケースなどもあります。

しかし、開業に先立ち保健所へ届け出る書類は、医院・開設者が開業時に在籍する住所でないと確認や追加書類準備に時間を要し、すぐに認可が下りず、開業日が予定より遅れてしまう事もあり得ます。

それでは、開業日寸前に引越しが必要な時はどうしたら良いのか?医院の正式な住所がすぐに決まらない時はどうしたら良いのか?初めての開業ではあまり知らない、歯科開業と医院・開設者の住所変更にまつわる手続きの方法や注意点について解説していきます。

歯科開業の住所変更に関連し、歯科の移転開業については下記の記事でご紹介しているので参考にして下さい。

自宅住所編:歯科開業までに開設者が引越しする場合

歯科開業物件の賃貸借契約書と開設届

冒頭でもふれた通り、開業地が決まってから開業地の近くへお引越しされるケースもよく伺います。

例えば、上記のように東京都に住みながら開業は神奈川で行う場合、開業物件は内装・機材準備のため開業より数ヶ月以上前に押さえておく必要があるので、賃貸借契約は契約時に居住している東京都の住所で契約者欄の記載を行う事になります。

その後、開業ギリギリまで現在住んでいる場所で勤務医として働き、開業間近に開業先の神奈川に引越した際、開業直前に保健所に提出する開設届の現住所を神奈川で記入しているにも関わらず、添付提出する物件の賃貸借契約書(の写し)だけ以前住んでいた東京都の住所になっているなど、提出書類同士の整合性が取れなくなる事があります。

その辻褄を合わせるには、別の証明書類を揃えなければなりませんが、書面を用意する間に保健所の提出期限が過ぎてしまい、当初の予定より開業日が遅れてしまうという事もあり得ます。

この様に、開業間近に引越しを検討している時には、物件契約時に契約相手に状況を申し伝え、保健所に提出する証明書類の一つとして住所変更の際に覚書を貰える様に交渉しておくと良いでしょう。

保健所への届出・物件の賃貸借契約については以下の記事で詳しくお話しています。

医院住所編:歯科開業までに医院の正式住所が決まらない場合

歯科開業地が新興住宅地の場合

これから出来上がる新築物件で開業する場合、建築する場所が未開の地や整地し直した土地を利用する新興住宅地である場合、正式な住所がすぐには決まらず、開業までに間に合わない場合もあります。

住居表示は市町村が決める事になっており、法律で以下の様に定められています。

住居表示の実施手続)第三条 市町村は、前条に規定する方法による住居表示の実施のため、議会の議決を経て、市街地につき、区域を定め、当該区域における住居表示の方法を定めなければならない。/2 市町村は、前項の規定により区域及びその区域における住居表示の方法を定めたときは、当該区域について、街区符号及び住居番号又は道路の名称及び住居番号をつけなければならない。/3 市町村は、前項の規定により街区符号及び住居番号又は道路の名称及び住居番号をつけたときは、住居表示を実施すべき区域及び期日並びに当該区域における住居表示の方法、街区符号又は道路の名称及び住居番号を告示するとともに、これらの事項を関係人及び関係行政機関の長に通知し、かつ、都道府県知事に報告しなければならない。/4 市町村は、第一項及び第二項に規定する措置を行なうに当たつては、住民にその趣旨の周知徹底を図り、その理解と協力を得て行なうように努めなければならない。

住居表示に関する法律(昭和三十七年法律第百十九号)

管轄する自治体にもよりますが、新興住宅地については暫定の住所番号が初めに割り振られるものの、正式な住所表示は建物が出来上がる前後に決まります。

自治体で新住所を確定(=住所表示実施)する前に、確定した新住所の通知が開業した歯科医院宛に届くので、歯科開設者はその通知書を持って保健所・厚生局に住所変更届を提出しましょう。

住所変更手続きは、内容に問題がなければ大体1日程度で手続きが完了しますが、新住所の確定に何ヶ月もかかる場合があるので、開業先の状況に応じ対応してきましょう。

新興住宅地も含め、土地からの開業については以下の記事で紹介しているので、ご参考にして下さい。

開業の準備期間中に住所が変更になったら

歯科開業関連で各所に登録した住所と開業時の住所に相違がある場合、郵便物についても注意が必要です。自宅を引越しされた場合は、郵便局で所定の手続きを行うと、旧住所宛の郵便物を新住所宛に転送して貰えるサービスがあります。

お引越しの際には、転居届を、お近くの郵便局窓口、ポスト投函、インターネット等でご提出いただくことで、1年間、旧住所あての郵便物等を新住所に無料で転送します。

日本郵政 転居・転送サービス

しかし、届出をしないと郵便物の転送はされず、サービスを利用しても更新を忘れると1年後以降は転送されなくなるので、転送サービスを利用するか否かに関わらず、引越し後は各種住所変更手続きを早々に終わらせる様に心がけましょう。

また、歯科開業地が新興住宅地などで後から医院の住所が変更になった場合でも、転居・転送サービスと同様に、1年ほどは旧住所宛でも届くと郵便局が自治体に回答しており、各自治体のホームページなどにその旨が記載されています。このような場合は、各自治体の案内をご確認されるようにしてください。

開業先での郵便物の受け取り方法や注意点については以下の記事で解説しています。

歯科開業時の医院・開設者の自宅住所変更について簡単にご説明しました。

初めての歯科開業では経験がない故に、とまどう事が他にも多くあるかと思います。開業まで勤務をしながら、一から勉強して開業の準備を進めるのは大変な労力を伴います。

その様な時は歯科開業のサポートを外部に委託するのも一つの手です。インサイトではコンサルティングを始め、様々な歯科開業支援サービスを行っています。詳細は以下をご確認下さい。

開業準備関連のコンテンツ

タイトルとURLをコピーしました