【解説】歯科の施設基準ってどうすればいいの?提出タイミングと注意点


歯科の施設基準の提出と注意点

歯科医院の開設届については「歯科医院開業時の保健所届出の流れと注意点」で解説していますが、今回は開設の届出後に提出する、施設基準についてお話します。

施設基準とは?どんなものがあるのか?

開設届が受理され、医療機関コードが発行されるといよいよ診療開始の準備が整います。これで患者さんの診療を開始できる・・・と安心するその前に、施設基準の届出についてチェックしましょう。

診療内容によっては加算の算定ができる項目があり、この加算算定を行うには施設基準の届出を行う必要があります。

施設基準は開設者側が任意に提出するものなので、「〇〇の届出を出して下さいね。」なんて教えてくれる人は誰もいません。自分の歯科医院で行う診療の報酬を得る為には何が必要なのか、予め確認しておきましょう。

施設基準の届け出書類は厚生局のホームページからダウンロードできますが、たくさんの書類があり、何をどう用意したらいいのか迷う方もいらっしゃるかもしれませんね。
⇒例:関東信越厚生局「施設基準の届出等」

通常の個人歯科開業では、以下のような施設基準の届出を出す場合が多く見受けられます。

・歯科外来環境体制加算
・CAD/CAM冠の届出
・クラウンブリッジ維持管理料

これらの届出はいずれも、各診療をより促進する為に設けられた制度になります。

例えば、クラウンブリッジの維持管理料だけでも1装置ごと100~440点の違いが出るので、よく実施する診療なのであれば、届け出を出してきちんと算定した方が適正な診療報酬を得られます。

それでは、それぞれ届け出先と記入内容について見ていきましょう。※以下は2017年5月現在、関東信越厚生局の管轄事務所で申請する場合の例です。

【基本診療料の届出】

○歯科外来診療環境体制加算

<用意する書類>
基本診療料の施設基準等に係る届出書(届出事項:歯科外来診療環境体制加算の施設基準に係る届出)
歯科外来診療環境体制加算の施設基準に係る届出書添付書類」
<記入内容>
条項の確認、署名、講習会受講歴と常勤歯科医師名、DH氏名と常勤・非常勤の別、常時設置の機器名と台数(歯科用吸引装置等)、緊急時の連携保険医療機関の情報、設置ユニット数と滅菌器の製品名、院内掲示例の添付

【特掲診療料の届出】

○CAD/CAM冠

<用意する書類>
・特掲診療料の施設基準等に係る届出書(届出事項:CAD/CAM冠の施設基準に係る届出)
・CAD/CAM冠の施設基準届出書添付書類」
<記入内容>
条項の確認、署名、療養に関わる歯科医師名・経歴、技工所・技工CAD/CAM冠士名、装置機材の詳細

○クラウン・ブリッジ維持管理料

<用意する書類>
特掲診療料の施設基準等に係る届出書(届出事項:クラウン・ブリッジ維持管理料の施設基準に係る届出)
クラウン・ブリッジ維持管理料に係る届出書添付書類
<記入内容>
条項の確認、署名、責任者名、管理方法、開設年月、保険医療機関コード

どの記入内容を見ても、該当の診療内容に適正な施設が備わっているかどうかを確認するのに必要な事項であることがよくわかりますね。

先ほども言いましたが、これらは一般の個人歯科開業でよく見る届出の例になります。医院の診療内容に応じて加算の届出をしない場合もありますし、逆に他の届出が必要になる場合もあるので、ご自身の環境に応じて対応しましょう。

○施設基準に関する資料はいつ・どこへ提出するの?

開設の届出が受理され医療機関コードが発行されたら、速やかにこれらの施設基準の届出を行いましょう。届出先は開業地の管轄の厚生局地方事務所で、提出の締め切りも事務所ごとに設けられています。提出間近になって慌てないように、事前に確認しておきましょう。

例えば、東京都で2017年2月1日に開設すべく保険医療機関指定(医療機関コード)を貰った場合、基本診療料・特掲診療料・保険外併用療養費の報告書については厚生局東京事務所に2017年2月1日の締め切り日までに申請を出すと、2月1日からの算定を開始できる計算になります。
⇒参考:関東甲信越厚生局「各種申請・届出等の締切日について」(2017年5月現在)

郵送すると宛先を間違った時に返送される間に期日を過ぎる場合もあるので、届け出はなるべく直接行って渡す方が良いでしょう。

○施設基準の提出での注意点とは?

届出の締め切りに間に合わなければ対象の加算項目の算定ができなくなるので、スケジュールには十分気を付けましょう。申請内容に不備があれば申請が受理されない場合もありますが、受理された後に要件を満たしていないという事が発覚する場合もあります。

要件を満たしていないのに申請を行った場合に点数の算定はされないので、返還を求められるケースもありますし、要件を満たしてない保険請求を続けると不正請求を疑われ、保険医療機関の指定取り消しを受ける可能性も出てきます。

まずは自分の経営する医院にとってどの施設基準の申請を行うのが適切かを確認し、内容に不備の無い申請書を作成して、診療開始までに十分間に合うように提出しましょう。

届出書類は開示請求の対象になるので、何らかの形で外部に知れ渡るなどすれば社会的な信用問題にも関わります。秘匿される情報ではないという事も念頭に置いて、慎重に申請を行いましょう。

このように、施設基準などの届け出には専門的な知識が必要になります。また、管轄の厚生局事務所や福祉事務所とのやりとりやスケジュールの調整など、開業を目前に控えた状態ではやる事が多すぎて手一杯になることもあるかもしれません。

前もって準備する事はもちろんですが、自分ひとりでやるのはちょっと・・・と感じる場合には専門家を頼るのも一つの手です。インサイト『開業支援サービス』では、書類作成や提出スケジュールについてのサポートも行っているので、安心してお任せ頂けます。

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