歯科医師が減る?!歯科医師が不足する時代は○年後にやってくる?


歯科医師が不足(減る)時代は○年後?!

歯科医師の過剰問題や歯科業界の動向や現状から将来予測まで、過去にも何度か紹介してきました。今回は、歯科医師過剰と取り沙汰されているなか、歯科医師が不足する時代がやってくる可能性をテーマに紹介していきます。

【参考】
歯科業界の動向、10年後の未来とは
歯科医師の地域偏在-不足地域・格差とその傾向-
歯科医師の推移と男女比率

○歯科の需給バランスの推移

歯科医師数・歯科診療医療費の増減率比較
利用データ元:厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」「国民医療費」

歯科新規開業を取り巻く環境と将来の予測2でも「歯科医療の需要と供給」について触れていますが、まずは歯科需給のバランスを知る為に、歯科医師数と歯科診療にかける国民医療費の増減率の推移を見ていきましょう。

上のグラフにもまとめていますが、1984~1997年の増減率の平均差は0.3%(医療費>歯科医師数)と、それぞれ同じ様に減り続けていました。

歯科医師数の調査は2年ごとに行われている統計データを元にしているので、グラフでは合間の年度の値を平準化して表示していますが、1988~1982年の毎年の調査結果を見てみると、2年で増え1年で下がるという傾向を繰り返していたので、おそらくは医療費の様に2~3年ベースで大きな山と谷をいくつも描くグラフになっていたことでしょう。

しかし、この均衡も1998年以降崩れ始め、1998~2007年の増減率平均差は3.6%(歯科医師数>医療費)と開き、医療費の増減率は歯科医師数よりも落ち込んだままになり、統計数値上は供給過多の傾向が続いてきました。

そして、その後は歯科医師数の減少と医療費の上昇が相まって、2008年以降徐々に両者の差が縮まり、2008~2014年の増減率平均差0.9%(歯科医師数>医療費)と差がゼロに近づく新しい局面を迎えています。

国内総生産と歯科診療医療費の推移
利用データ元:内閣府 「国内総生産勘定」、厚生労働省「国民医療費」

歯科医療費はGDP(国内総生産)の増減と連動するという事は先に挙げた将来予測の記事の中でもお話しましたが、2010年以降の上向きになった伸び率の同調は、確かにそれを証明しているとも言えます。

1997年からマイナス傾向にあったそれぞれの増減率は、2010~2015年に区間平均でGDP1.3%、医療費1.7%、とだいたい同じ伸び率を指し示しています。

双方の増加はここ数年の政策の影響や、高齢人口の増加に伴い医療費そのものが上昇している事も一因にあるでしょう。(2015年の段階で65歳以上の歯科診療医療費は全体の86.1%、2.4兆円になっています。)

ここで歯科医師数が医療費よりも将来的に下回っていけば、需要に対し歯科医師が不足すると判断できます。それでは、次に歯科医師数の推移を見て今後を予測していきましょう。

○歯科医師の年齢と人口推移からみた予測

歯科医師数の推移予測

総務省統計局「人口推計」を見ると、現在の日本は老年人口が21%以上、年少人口が10%弱という超高齢化社会に突入していますが、歯科新規開業を取り巻く環境と将来の予測3「歯科医師と開業年齢の高齢化」でも解説している通り、その動きに合わせ歯科医師の年齢そのものも高齢化の動きを見せています。

厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」2016年時点の年齢別歯科医師数を元に、10年後、15年後もその人数を保ったと仮定してその歯科医師数をスライドしてみると、歯科医師数が現職を退き激減する辺りの60~70歳が10年後にピークを迎え、15年経過するとそのピークは75歳辺りに移行し、代わりに60歳以降の歯科医師が減少していく事が分かります。

98歳以上の数値を上限として、60歳以下:60歳より上の年齢構成比を見てみると、2016年は77: 23、10年後は51:49、15年後は40:50となり、5年ごとに60歳より上の構成比が10%ずつ上積みになる事が分かります。

25歳以下の歯科医師数が現状不明の為、10~20年後の壮年層がゼロになっていますが、現在の日本の総人口や歯科医師国家試験合格者数の減少傾向なども考えると、歯科医師数そのものが減少していくであろうことが予測できるでしょう。

歯科医院開設者の年齢推移
利用データ元:厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」

その中でも、歯科診療所の開設者の年齢がどのように推移していくのかを見ていきましょう。

今度は2014年の開設者数の推移を10年先にスライドし、比較してみました。グラフにすると、現在の50歳代の山の峯が、10年後は裾野のように見えるのが分かります。

現在の50~59歳の歯科医師数は21,115人、40~49歳は13,826人となっていますが、10年後に中核を担っていく30歳代は4,052人と50歳代の5分の1程度までに落ち込むので、裾野の辺りで開設者が激減しているのが実数からも分かりますね。

もちろん、大学を出た後何年かの勤務医経験を積んでから開業されるのが一般的で、最近では30歳後半~40歳代辺りが開設する年代の主力になってきてはいますが、歯科医師数そのものが減少しつつある今となっては、10年後に40歳代の開設者が今の数値に達するのは、おそらく難しいだろうという想像がつきます。

人口推移予測
参考:総務省統計局「人口推計」

対して日本の人口がどのように推移していくかというと、2016年度の人口数を10年先にスライドさせてみた時に、50~80歳の年齢がピークを迎える事が分かります。(この時点での50歳以上の人口は7570.6万人、全体の60.4%を占めます。)

つまり、10年後に歯科医師(特に開設者)の数は減っても患者は減らず、むしろ医療に時間やお金を費やせる高齢層が増加するので、歯科診療そのものが供給不足になる事が予測できます。

先ほど医療費が増加傾向にあるとお話しましたが、このような歯科医師数(特にこれからの開設者世代)の減少傾向を重ね合わせると、今後は医療費が歯科医師数の増加率を凌駕すると推測できるので、医療費との比較の面からも歯科医師数が不足する時代を迎えつつある事が分かりますね。

ここまで見てきた通り、歯科医師不足の兆しはもうすぐそこに見えており、その流れは一気に加速して、10年の内に深刻さを増すことが予想されます。

このような激変の時代を迎えるにあたり、ある程度現場で経験を積んだ壮年層の歯科医師の方が開業し、歯科業界を支えていくのは非常に意義のある行いとも言えます。

変わりゆく患者層に対し、どのような歯科医院を開業すべきか、どのような経営方針でやっていけばいいのか。

それを決めるのには、まず自分の開業意思と医院のコンセプトをしっかりと固めた上で、集患を成功させる開業戦略を実践していかなければなりません。歯科医師と言えど、私人としても立場もあるので、自己資産の使い道や、事業資金返済の問題も考えていかなければならないでしょう。

他にも開業の為にすべき事は山積みで、勤務を続けながら自分一人で開業の準備を整えるはとても大変な事かもしれません。

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しかし、ただ開業すればいいという訳ではなく、開業し安定した集患を得て経営を成功させるには開業時の準備から周到に計画を練る必要があります。

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