歯科開業全般

徹底解説!歯科業界の動向と10年後の未来とは?【まとめ】

歯科開業の現状と将来予測まとめ
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過去に紹介した「歯科医院の新規開業を取り巻く環境と現状」や「30年後の人口予測から推測される歯科開業の今後の動向と将来予測」でお伝えしている内容の総括を紹介します。

歯科開業を取り巻く環境と現状

歯科開業を取り巻く環境がどのようになっていくかを考えるには、まず現状をよく知ることが大切です。「歯科医院の新規開業を取り巻く環境と現状」で解説している内容をまとめました。

開業件数と開業地

歯科医院の新規開業件数は2005年を境に毎年減少しており、2005年と2019年を比較すると1000件以上開業件数が減少。中でも都市での開業が集中し、特定地域では医院が減少するという偏りが見受けられます。開業場所を慣れ親しんだ場所で決めようとする従来の姿勢が大きく影響しています。

どこで開業しても集患できる競合が少ない時代とは違い、多角的なマーケティングをもとに開業場所を決めることが重要です。

歯科の需要と供給

対10万人当たりの歯科医院数は、1999年と2019年で比較すると、その減り方が9%となり、約一割近く減っています。歯科医師数の推移としては、歯科医師数削減政策や歯科医師の高齢化が影響する事を考えると、今が歯科医師数増加のピークと予想されます。

海外と比較としてみると、この数値自体は、日本はそれほど高くなく、先進国の中では、ドイツ・イタリア・スペインなどと同水準となっています。

歯科医師と開業の高齢化

日本では国の政策により1970年代から歯科医師が増え、現在その団塊の世代を中心に高齢化が進んでいます。

一方、新規開業をする歯科医師の年齢も上昇しており、従来は多かった30代で開業している割合も、1996年と2016年を比較してみると、30歳~34歳は8割以上・35歳~39歳はほぼ7割減少しています。理由は、開業マインドの変化、資金準備不足、開業場所の減少であると考えられます。

30年後の人口予測から推測される未来予測

歯科開業の現状についてこれまで紹介しましたが、ここからは、3 0年後の人口予測から推測される歯科開業の未来予測について紹介します。こちらの内容の詳細については「30年後の人口予測から推測される歯科開業の今後の動向と将来予測」をご参照ください。

サービス業的側面の増加と歯科医院の大規模化

直近の歯科医師登録数から歯科医師がこの推移のままと仮定した場合、30年後の60第以下の歯科医師数は、約8万人で、2051年時点での、対10万にあたりの歯科医師数は約80人と予測されます。この傾向が続く限り、歯科医院は患者確保にサービスを技術だけではなく、患者ケアやロイヤリティ管理、コンビニエント性の向上など、診療以外へのコストや労力をかけていく必要があります。

診療以外に多くのコストがかかることから、個人経営の歯科医院は厳しい経営を迫られ、集患のコスト・設備や患者さん管理や受付機能、人材確保と診療領域の専門化など、様々な面で大規模化のメリットが生まれるため、規模の大きな診療所が増えると推測できます。

自己負担金の引き上げと自費診療枠の拡大

生産年齢人口が全人口の半分まで低下してしまうと、保険診療にも大きな改革が必要になる。海外先進国の事例を見て予想される通り、少なくとも、自己負担金が5~7割程度に引き上げられたり、混合診療が全面的に解禁されたりする可能性が高いです。

また、自己負担金の負担率上昇と合わせて、混合診療を含めた自費診療枠も拡大されるでしょう。

混合診療のほか、今後は予防インセンティブ制の導入、補綴など高額自費診療の増加による民間保険の普及が進む可能性も考えられる。混合診療拡大と保険診療枠の縮小による自費診療への移行が起こった場合、患者が今まで以上に歯科医院を吟味して選択するようになる。クレームや訴訟が増えることが予想されるので、開業時から対応を考えておく必要があります。

アクティブシニアの増加と小児歯科の充実と自費化

2030年には、約8割の高齢者が自立的に暮らしているという予測があります。アクティブシニアは健康や予防に関心が高く、こうしたものへの出費を惜しまない特徴を持っています。

従来の介護保険を中心とした訪問歯科診療や高齢者歯科診療から、アクティブシニアを中心とした食育や口腔ケア活動、全身的な口腔健診などを手掛けることが、アクティブシニア顧客のロイヤリティにつながり、次の段階の患者さんの囲い込みにつながっていくでしょう。

一方、年少人口は減少すると予想されているため、政府はさらに子育て環境に力を入れ、年少者への保護もより手厚くなると考えられます。同時に、親御さんが自費診療を前提とした予防・齲蝕処置の教育を受けることで、小児歯科が自費化していく可能性があります。

歯科医療のアジア進出

日本以外のアジアに目を向けると人口は拡大していく傾向にあります。ASEAN各国の歯科医師に関する制度の整備が進めば、新たな歯科医療マーケットが国際的に解放されます。日本が国際レベルの歯科医療を確立していけば、日本人歯科医師がASEAN諸国で歯科医業に従事する将来も、充分考えられます。

以上、歯科開業を取り巻く現状と人口動態からみた将来予測のまとめでした。これからご開業をお考えの方の手助けになれば幸いです。

途中でも紹介しましたが、今回のまとめは下記で詳しく紹介しています。

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