歯科医院経営講座⇒居ぬきの物件を買おうと思ったら?


歯科医院の経営・マネイジメントの事例を交えたケーススタディを紹介します。歯科医院経営事例シリーズをまとめて読みたい方はタグの「歯科医院経営講座」をクリックしてください。
院長、こんなときどうしますか?~居ぬきの物件を買おうと思ったら?~

<ケース>
40歳を迎えたA先生は、そろそろ開業しようと休日ごとに、歯科開業のセミナーに通っています。

ある日、勤務先の出入りの材料業者から、医療法人○○会がもっている分院が売りに出ているのでかわないか?との話がありました。A先生は、新規開業の候補地もなかなか見つからないし、資金もあまりかけずにやれそうだからと、契約に踏み切ろうとしています。

どうしたら良いでしょうか?

○居ぬき物件の購入

居ぬき物件の購入

最近は医院の乱立により、居ぬき物件の売却も増えてきていて、この傾向は今後も続くと考えられます。そもそも居抜きになる理由としては

1)院長が病気もしくは不幸にも亡くなった
2)法人経営で分院長がみつからない
3)経営不振による廃業
4)歯科医院以外の事業に失敗した
の4つのケースに集約できます。

また、居抜きを買う側の理由を考えてみると
1)分院展開による早期立ち上げを狙う
2)低コスト開業を望む新規開業
の2つが主な理由となっています。

居抜き物件の取引では、医院の売却理由が上記の4つのうちのどれなのか?また、買収金額がいくらなのか?が判断基準になります。

医院を売る理由からみてみると、3)の経営不振による廃業は、買わないほうが良いでしょう。もちろん、経営不振の理由が明確であって、それに対し確実な改善策が見つかっている場合は問題はありませんが、弊社のコンサルティングの経験では多くの場合、立地条件が悪すぎるものが多いので、手を出すべきではないでしょう。

次に、1)のケースでも、それまでの院長が高齢の場合には、見送った方が良いでしょう。前の院長が高齢の場合、患者さんの年齢も前院長と同様に高齢であると同時に、密着度が強く、新しい先生になったとたんに来院しなくなるケースが多いからです。逆に、前院長が若い場合には、有望な物件となり得るが、残された家族の生活もあるので居抜き物件価格が高くなることは想定できます。

2)の分院長がみつからないという居抜き物件の特徴は、だいたいが郊外にある場合が多くみられます。つまり、田舎にあるので分院長のなり手がいないために、継続不能になった居抜き物件ということです。これは、やり方によっては非常に有望な物件になる可能性があります。

というのも、この手の居抜き物件についている患者さんは、歯科医師についているのではなく物件についていると考えられるからです。
分院の場合歯科医師が頻繁に変わることも多く、患者さんもそれになれてしまっている可能性が高いです。
そこに、逆に骨をうずめる覚悟できた歯科医師がいれば、当然患者さんも増えていくということになるからです。

最後に、4)のケースですが、この居抜き物件の判断は難しくなります。歯科医業以外の事業で破綻したとなれば、それなりの医業収入を上げていた医院であるとも考えられるし、一方、他の事業で資金がいるので、荒れた診療をしていた可能性もあるので、十分注意して判断しましょう。

いずれにしても、居抜き物件なった理由や、医業収入、アポイント状況、自費収入などの情報を公開してくれない物件には手を出すべきではないでしょう。

居ぬき物件につきましては歯科居ぬき物件のメリット・デメリットでもお伝えしていますのでご参考ください。また、今回は買い手側のポイントをお話ししましたが、譲渡(売り手)を考えている方は歯科医院経営講座「歯科医院の譲渡」をご参考ください。