開業地の物件・立地

歯科開業の良い立地とは?歯科医院にオススメの立地の選び方

歯科医院の立地の選び方
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歯科医院の開業立地を決める時「良い立地で開業したい」と思うのが人の常ですが、その良い立地や良い物件とはどのようなモノでしょうか?

今回は、良い立地で歯科医院を開業するための立地選びのポイントを紹介します。

コンセプトや診療スタイルに合った立地特性を整理する

はじめに、先生に合った良い立地とは何かという考え方についてお話しします。

コンセプトや診療スタイルに合った良い立地とは何かを考える

歯科の開業物件探しのポイントや良い物件を決めるまでの注意点」でも触れていますが、歯科医院を開業する際に何が良い立地かは、先生ご自身のコンセプト・診療スタイルによって異なります。小児歯科に力を入れていきたいとお考えでしたら、若いファミリー層やお子さんが多いエリアを探す必要がありますね。

先生が力を入れたい診療科目は、どんな患者さんにニーズがあり、その患者さんが多いエリアはどこか?また、その患者さんが来院しやすいと思える場所が、先生にとって良い立地となります。

自分に合った良い立地特性を考える

どんな患者さんがいるエリアや場所が良いかのイメージがついたら、次に、自分が望む医院のイメージや働き方とあう立地特性や物件特性で、探すタイプの目星をつけていきます。

例えば、大きめな規模で勤務医を増やしていきたいのか?小規模で診療していきたいのか?ゆくゆくは分院展開をしていきたいのか?などによっても、選ぶ立地や物件のタイプが変わります。

あらかじめ、立地や物件の特性を理解しておくと探しやすくなります。立地や物件の特性については、他の記事でも紹介しているのでそちらをご参考にされてください。

歯科医院にとって良い立地かどうかを判断するポイント

歯科医院にとって良い立地かどうかを判断するには「人が多く集まり、なおかつ患者さんとして来院してくれる可能性がある場所かどうか」が重要です。つまり、集患力があるかどうかです。

立地選定のポイント

  • 患者さんが日常的に使う動線にのっているかどうか
  • 診療圏はどれ位かで診療圏内の潜在患者数はどんな人がどれ位いるのか
  • 視認してもらえる場所かどうか
  • 将来的な人口や動線の変更はないか

患者さんが日常的に使う動線上にあるかどうか

まず、立地を判断するポイントで重要なのが、歯科医院を開業したいと考えている場所が「その地域の患者さんが日常的に使う動線」にあるかどうかです。日常的に通る動線から外れてしまっていると、そもそも「歯科医院があるということ」に気が付いてもらえない可能性があります。

それでは日常的に使う動線にあるかどうかを読み解く方法を解説します。

日常的に移動する目的となる場所は何か?を考える

そのエリアにいる人が、日常的に移動する目的となる場所は、下記があげられます。

日常的に移動する目的となる場所の例

  • 長時間滞在する場所:家(住宅群や団地・マンション)、仕事場、商業ビルやショッピングセンター
  • 移動するための場所:駅、交差点、バス停、大規模な駐車場
  • 日常で立ち寄る場所:スーパー、ドラッグストア、コンビニ、ホームセンター、飲食店

これらの目的となる場所を往来する動線であればあるほど、人が流れ込みやすく、集患力の強い立地であると言えます。

日常的に往来する道の選び方を意識する

日常的に行き来する道の選び方については、多くの方が無意識のうちに、次のような選び方をしています。

  • 理由もなく遠回りはしない。一番近い距離で移動する。
  • 知らない道よりも知っている道を通る。
  • 渡りにくい、通りにくい場所は避ける。

先ほどお話した、目的となる場所を結ぶ動線を考える時も、同様に「どの道を選ぶか」を意識すると、患者さんが日常的に使う動線かどうかを判別しやすくなります。

実はここは通らない?動線の分断要素がないか注意する

動線を分断してしまう要素としては、通行量が多い大きな道路・川や大きな敷地・抜け道がない(遠い)線路などです。動線上にこの分断要素があると、このあと紹介する診療圏の範囲が狭まってしまうので、よく注意されてください。

ここまでお話した「日常的に使う動線」については、地図からもある程度読み解くことが可能ですが、最終的には実際に現地をみてしっかりとチェックしましょう。

診療圏の範囲と見ておくべき潜在患者さんの量と質

次に、良い立地かどうかの判断ポイントとなる診療圏についてです。診療圏の決め方にもいくつか注意点があります。

正確な推測をするため、診療圏は「メインの交通手段と時間」で決める

診療圏を決める際は、立地から直線距離だけを指定するものが多くありますが、実際に来院してもらえる診療圏の範囲と乖離がでやすくなってしまいます。

例えば、直線400mの範囲では、道なりに進んでいくと5分にも10分にも変わってしまうことがあります。同じ直線400mの範囲であっても、移動時間が違うだけで「5分は近い・10分は少し遠い」と感じるように、診療圏の設定も時間で決め、その時間で移動できる道なりの範囲がどれ位なのかを考えます。

また、時間で決めた診療圏であっても、その立地の特性にあわせた交通手段の時間換算でなければ意味がありません。交通手段と時間で診療圏の範囲がどれくらいになるのかを決めましょう。

診療圏内にいるターゲットとなる患者さんがどれだけいるのか?

診療圏を見るポイントは、そのエリア内に「コンセプトや診療スタイルに合った患者さん層がどれだけいるか」を確認します。いくら人が多くても、ターゲットになる患者さんが少ないエリアでは、良い立地とは言えません。

また、住んでいる人は多くても、日中は働きに出てしまっていて人がいない場所の場合、日中に医院を開けても集患に苦労してしまいます。つまり、歯科医院を開けている昼の人口の状態もしっかりチェックする必要があります。

インサイトでは、ここまでお話した診療圏のポイントに加え、世帯特性や年収特性などより詳しく分析し、歯科医院におすすめの立地であるかどうかの判断として利用しています。

患者さんに視認してもらえる場所かどうか

次に患者さんに視認性してもらえる場所かどうかについての大きなポイントとしては、次の通りです。

  • 患者さんの動線上から良く見えるかどうか
  • 歯科医院があると気が付いてもらえる(認知してもらえる)かどうか

視認性の詳しい考え方や、現地を実際に見る時のチェックポイントについては下記で詳しく紹介しているのでそちらをご確認ください。

将来的な人口や動線の変更はないか

歯科医院は、開業時に大きな設備投資が必要なため、気軽に移転ができるものではありません。そのため、そのエリアが将来的にどうなるかも判断のポイントになります。

特に、動線に大きく影響がでる「都市計画」についてはしっかりと確認しておく必要があります。都市計画の調べ方や見ておくポイントについては下記の記事をご参考ください。

歯科医院の立地選びであるよくある間違い

これまで紹介してきた立地の選び方を理解して頂ければ、おおよそ良い立地の判断は出来るかもしれません。しかし、具体的な立地や物件を見ていくうちに、つい陥りがちな立地判断のミスがあることも確かです。

例としては次のようなものです。

立地を忘れて歯科居抜きという点だけに惹かれてしまった

開業の初期費用を抑えられる居抜き開業に惹かれるお気持ちも分かります。しかし、居抜きや継承での開業も一長一短です。集患力のある良い立地であれば問題ありませんが、そういった物件は見つかりにくいのが現状です。「歯科の居抜き開業のメリット・デメリット」で注意するべきポイントを紹介しているので、検討中の方はご参考頂ければと思います。

コンセプトや診療スタイルにあっていない

そもそもコンセプトや診療スタイルにあっていない点に関しては、開業前から診療圏の調査をしっかり行っておくことである程度回避できます。しかし、事前に分析をしっかりと行い、現地も調査したにも関わらず、なかなか思った通りにいかない場合は、立地だけの要因とは限らず、力を入れたい診療内容などが、地域の方にしっかり伝わっていない可能性も考えられます。

歯科医院にとって、立地は集患の大きな要ではありますが、立地だけでなくどのように医院をPRするかを開業時から考えておくことも、経営の早期安定化には重要です。

人が多い場所や集客力のある建物の横だから大丈夫

立地の選び方で詳しく紹介しきましたが「人が多いから大丈夫」「スーパーの隣だから大丈夫」と思われてしまうケースも多くあります。

いくら人が多くてもそこにいる方が患者さんになってくれるのか?スーパーの横にあっても、動線から外れてしまっていないか?影に隠れてしまっていて見えなくなってしまっていないか?などしっかりと確認もせずに対策も打てていないと、いざ開業したら患者さんが集まらないことも。

競合が多いから良い立地ではないという判断

こちらもよくある例ですが、競合が多いからというだけの理由で開業を諦めてしまう方もいらっしゃいます。人口や集患が見込めるエリアでは、ある程度競合が多く激戦区となってしまうことももありますが、実はまだまだ患者さんからのニーズがある可能性もあります。「開業前に知っておくべき競合に負けない開業要素」で紹介しているのであわせてご覧下さい。

今回は、歯科医院におすすめの立地の選び方について紹介させて頂きましたが、立地だけでなくそこに立っている物件を決める際も様々な注意が必要です。例えば、医院の場所が「1階なのか2階なのか」「1階にあるけど奥まっていて見えにくくないか」などによっても集患力は異なります。

さらに、歯科医院は床に配管を通す必要があるので、天井高も十分にあるのかなど、立地だけでなく物件自体も歯科医院にとって最適かどうかを判断する必要があります。「歯科の開業物件探しのポイントとは?良い物件を決めるまでのまとめと注意点」では、物件選びのポイントや賃貸借契約の注意点などを詳しくお伝えしています。

また、今回お話しした内容は、セミナーでも解説しています。より詳しい物件の選定条件や集患の方法まで分かりやすくお伝えしています。

インサイトが紹介している物件はこれらの選定理論をクリアした「集患出来る物件情報」を紹介しており、その一部をWEBへ掲載しています。お問合せ頂ければ、WEBに掲載していない非公開物件を含め、おすすめの物件をご紹介いたします。

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