歯科医院経営講座⇒分院をだそうと思ったら


歯科医院の経営・マネイジメントの事例を交えたケーススタディを紹介します。歯科医院経営事例シリーズをまとめて読みたい方はタグの「歯科医院経営講座」をクリックしてください。
○院長、こんなときどうしますか?~分院をだそうと思ったら~

<ケース>
インサイト歯科大学の口腔外科の非常勤講師も勤める院長は、開業して3年目を迎えました。幸いなことに、開業した場所は目立った競争相手もなく、患者さんにも恵まれて早期に経営を軌道にのせることができました。

自信を持った院長は、さらなる拡大を狙って、分院を出そうと計画しています。しかし、開業地の選定や具体的なマネイジメント、医療法人にしたほうが良いかなどするかなど、悩みは尽きません。

分院展開する際のポイントとはなんでしょうか?

○歯科分院のポイント

歯科分院のポイント

分院を出す場合のポイントは

1.分院長の継続的採用のルートを確保する
2.医院を医療法人化する 
3.分院開設場所は、本院から1時間以内にする(事務長がいない場合)
4.マネイジメントの仕組みを導入する
の4点になります。

1の分院長を継続的に採用するルートを確保するのは、歯科医師の場合その多くが開業してしまうので、分院長が万一退職した場合でも、すぐに代わりの分院長を採用できますようにするルートを持っていないと大変なことになってしまいます。

今回のケースでは、院長が出身大学の非常勤講師を勤めているので、大学関係のルートから継続的に採用することが可能だと判断できます。

次に、2の医院を個人開設から法人化しておくことが必要です。なぜなら、個人開設の場合には1診療所しか開設できないからです。

なかには個人名義を借りて分院展開をしている例も見受けられますが、前述の点から合法とはいえません。

医療法人というと、何か非常に仰々しく聞こえるかもしれませんが、昭和60年(1985年)12月の医療法改正により設立要件が緩和された結果、医師一人で足りるようになり、診療所経営を法人形態で行うことができますようになりました。ただし、一人医療法人でも分院を出すことは可能ですが分院長(管理者)を医療法人の理事にする必要があるので注意が必要です。

医療法人設立に際しては、形式的には医療審議会の審議を経ることにより都道府県知事の認可を得られ、登記を完了することにより医療法人の設立ができます。

ただ、医療審議会の開催が通常年2回程度となっているほか、設立認可時点において、都道府県によって診療所の実績が1年以上あることを条件にすることがあります。また、2県にまたがる広域医療法人は厚生労働省の認可が必要なのでさらに時間を要します。

3については、実務的なレベルの話になるが、分院はやはり院長の目の届くところに開設しないとうまくいきません。なぜなら、分院では本院に比べ分院長、スタッフのモチベーションが低くなってしまうからです。そこで、日々顔の出せる範囲として本院から1時間以内にすべきです。

4は、分院長やスタッフがいかに働き甲斐をもって、分院に勤務するかというモチベーションを高めるマネイジメントの仕組みです。

通常は分院長の給与を売上の○○%と定めている場合があるが、売上連動ではなく利益連動型にするほうが良いでしょう。これは、売上至上主義ではなく、生産性の高い医院を作るためにも是非導入すべき仕組みです。