歯科医院の売上に対する材料費率は、7%~9%が一般的です。これより高い比率の医院は、在庫管理ができていないか、医院内で無駄づかいをしてしまっているかなどが考えられます。今回は、歯科医院の在庫管理をテーマにお話いたします。
歯科医院の在庫管理のよくある事例と問題点
消耗品である材料発注作業は、発注ノートを作り在庫がなくなったら、スタッフさんがノートやパソコンなどにメモを記載し、営業への依頼やFAX、WEBサイトから発注を行う。
納品されたら納品書とノートを付き合わせて、間違いがないかをチェックする。このような管理方法を行っている歯科医院も多いのではないでしょうか?
しかし、この方法では、誤納品のチェックはしていますが、在庫の管理はできていません。歯科医院では多種多様な材料を取り扱っているかと思いますが、あちこちに散在して在庫を保管していると、誤発注や不良在庫が出てしまうのも、在庫管理が出来ていないことが原因です。
例えば、材料が見当たらないので、在庫の新しい材料を開封してしまうなどです。モービルキャビネットに入っているのに、新しいものを開封して使ってしまい、結果として医院の材料費が多くなってしまっているなどの話もよく伺いますね。
また、一番避けなければならないのが、欠品です。欠品を出してしまい、患者さんの治療が出来なくなってしまっては大問題です。
在庫の管理や発注でよくある課題や問題点としては、次のようなものが挙げられます。
- 在庫の誤発注や在庫切れによる過剰在庫・余剰在の発生
- どこに何がどれだけあるのかをリアルタイムで把握できない
- 保管場所が分からず材料を探すのに時間がかかってしまう
- 在庫の棚卸など、管理や発注業務の負担が出てしまう
- 気が付かない間にキャッシュフローを悪化させてしまう
在庫管理の課題を解決する方法
歯科医院の在庫管理では「適切な在庫数を確保」し「欠品をださないこと」「管理や発注の労力を簡略化」することが大切です。それでは、先程あげた問題を解決するために出来ることを紹介します。
出来ることから始める在庫管理方法
まずは、医院の在庫状況をしっかりと把握しておくことが大切です。ここでは、従来通りの在庫管理を行う場合のポイントを紹介します。
在庫管理のノートや表の項目を見直す
発注ノートやパソコンなどで在庫管理を行う場合、何を管理したいのかの目的にあわせて記載する項目を見直しされてください。WEB上に在庫管理のテンプレートなどをダウンロードし、医院にあわせた項目へ修正されてください。
スペースがあるのならば、在庫棚を作る
院内にスペースがあるようであれば、管理しやすい在庫棚を作っても良いでしょう。
棚は平行ではなく、少し前面が下がっている棚を作ります。その棚ごとに商品名の書いたラベルを貼り、必ず在庫をそこに置くようにします。こうすることで、スタッフさんの事務作業の軽減と、在庫をあちこちに収納せずに整理出来るようになります。
ラベルを貼って日付で管理
新しい材料を開封する前に、在庫棚の商品ラベルにその払出日付を記入すると改善できます。つまり、材料が見当たらないので、在庫棚から新しい商品をおろそうとする時に、必ず前回の払い出し日を確認できるようになります。
この日付が消耗頻度に比較してあまりに短いようなら、院内のどこかに必ず材料はあるはずというわけです。日付管理この仕組みは院内における材料の盗難も防ぐことができます。
在庫管理システムを利用してみる
近年では、アプリやクラウドサービスなど、在庫管理システムも増えてきました。クラウドの在庫管理システムは、在庫管理の問題点を解決できるように「適切な在庫数を確保しやすくなる」「欠品をださない」「管理や発注の労力を簡略化する」などのメリットがあります。
在庫管理システムは、QRやバーコードで読み取りを行い、パソコンやスマートフォンなどと連動するようなものが多くあり、発注が必要なものをリストアップするものや、発注までを自動で出来るものなどがあります。
製品によって使い勝手など様々なものがありますので、医院に合ったサービスを選ばれてください。導入時によく費用だけをみて「コストがかかるなら導入しない」との話も伺います。
在庫管理システム導入費用の判断は、単純にシステム利用料の額面だけではなく「棚卸や在庫チェック、発注にかかった時間などの人件費」「在庫の誤発注で発生したロス費用」などのスタッフや先生ご自身の人件費も含めてご検討されるのが良いでしょう。
発注を自動化できるシステムを導入するのであれば、今まで在庫管理に費やしていた時間をその分患者さんへの対応に時間がさけるようにもなり、データ分析も出来るので、結果的に医院のキャッシュフローの見直しやコスト削減につながることもあります。
インサイトでは、在庫管理のシステムの紹介も行っております。
当社でお勧めしている在庫管理システムは、QRやバーコードを読み取るものではなく、機器の上に材料などの商品を置くだけで、在庫の残数などの情報がWEB管理画面で確認が出来て、発注アラートや自動発注が出来るサービスとなっています。
必要な台数やプランは、医院の在庫管理状況により異なりますので、ご興味の方は、下記よりお気軽にご相談ください。
在庫管理システムに関するお問合せ
医院の広さや構造に合わせて設置場所や台数のご提案を差し上げます。
また、在庫管理のクラウドサービスだけではなく、歯科医院の設備や環境など様々な企業との取引があるので、歯科医院におすすめの企業やサービスを紹介することも可能です。
医院の導入設備や環境に関してお探しのものがございましたら「歯科業者一括デモサービス」をご利用ください。状況にあわせてお勧めのサービスの紹介だけでなく、複数業者がいる場合は、各社との調整・選定時のアドバイスなども可能です。
インサイトの『一括デモサービス』
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