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歯科におけるオンライン資格確認制度の状況と導入方法【2021年8月度最新情報】

歯科におけるオンライン資格確認制度
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医療機関への導入が促進されていたオンライン資格確認制度について、厚労省の発表によると2021年8月8日時点で歯科診療所では全国の内49.4%と約半数がシステムを導入済との事です。

既に手続きがお済みの方も多くいらっしゃると思いますが、改めてどのような制度か、これから登録するにはいくら経費がかかるのか、などを解説していきます。

システム導入の補助金も上限額はありますが、現状2023年3月まで期限が残っているので、まだ導入がお済みでないクリニックや、これから開業をお考えの先生のご参考になれば幸いです。

オンライン資格確認とは?

オンライン資格確認とは、マイナンバーカードや保険証の読み取り端末を医院へ導入し、保険資格や薬剤、特定検診情報の確認がオンラインで出来るようになる仕組みです。

メリットは以下の3点です。

  • 受付時の保険証の入力の手間が軽減出来る
  • 予約している患者さんの保険資格が有効か事前に確認出来る
  • 患者さんの同意を得れば、3年分の薬剤情報や5年分の特定検診情報が確認出来る

クリニック側としては保険証等の資格有効確認やデータ入力の事務作業を効率化する事ができ、登録・請求漏れやレセプト返戻のリスクや負担を軽減できるのが最大の利点といえるでしょう。薬剤情報や特定検診情報についても、患者さんが手帳を持ってくるのを忘れてしまったり、災害等で手元の情報を失ってしまったりした時などには非常に有益な情報となります。

導入は義務ではなく任意ですが、2023年3月31日までに設置する様、政府が医療機関・薬局にリーフレットなどを通して通知している状況です。

オンライン資格確認の導入状況について

冒頭でもふれた通り、厚労省の発表によると2021年8月8日時点で歯科診療所では全国の約半数がシステムを導入済となっています。その内訳や導入から見えてた課題について紹介します。

都道府県別の普及率

オンライン資格確認に使うカードリーダーの申込率を導入率として捉えると、都道府県別では下表の通りの導入率となります。

オンライン資格確認の都道府県別普及率
資料:顔認証付きカードリーダーの都道府県別申込状況について(厚労省・2021年8月8日版)

首都圏や地方主要都市は現状中~下位となっており、元々機関数の多さに加え、コロナ禍の影響なども懸念されます。

オンライン資格確認システム稼働のスケジュール

オンライン資格確認の稼働は当初2021年3月末開始予定でしたが、保険者データの正確性を期する為として延期になり、現在はその正確性が担保された事、9月末には申込施設の内8割が導入見込みである事、10月以降マイナンバーカードの健康保険証利用が本格化する事などを踏まえ、オンライン資格確認も2021年10月から本格稼働開始の予定となりました。

マイナンバーカードの普及率はと2021年7月1日時点で約4,344万が交付済(参照:総務省)との事です。この内、主に医療機関を受診する60~74歳の高齢者は40~45%ほどが交付済で健康保険証利用が開始されるとよりか増える事も考えられ、医院の患者層によっては導入の恩恵を受けられる事が窺えます。

オンライン資格確認で歯科業界が抱える課題

レセプト請求状況
社会保険診療報酬支払基金のレセプト請求形態別の請求状況(令和3年5月診療分)

一方、全国のレセコンの導入率について、社会保険診療報酬支払基金のレセプト請求形態別の請求状況(令和3年5月診療分)を見ると、歯科では約2割がオンライン請求、約7割が電子媒体請求を行っている事から、レセコン・電子カルテ導入の素地は殆どできており、オンライン資格確認導入に関し、未導入の歯科ではオンライン環境の整備・レセコン改修(及びその費用)が課題であると予想されます。

オンライン資格確認の導入方法

導入を検討されている先生向けに導入時でよく伺うご不安や導入方法を紹介します。

導入に関してよく伺うご不安

オンライン化に関しセキュリティ面を心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、オンライン資格確認の導入にあたっては専用のルータとネット回線を使用する事で2重のセキュリティがかけられた上、保険資格・薬剤・検診情報を見る為の専用PCはネット接続出来ないようにして情報漏洩対策が行われています。

この点については厚労省の通知で定められたガイドラインがあり、社会保険診療報酬支払基金でも詳しく解説されているので、ご参考にして下さい。

【参考】社会保険診療報酬支払基金>セキュリティ

また、マイナンバーカードの取り扱いに不安を感じる医療従事者の方もいらっしゃるかもしれませんが、現状では殆どの医院で顔認証リーダーは患者さん側に向け設置されており、カードのスキャンは患者さん自身が行っているため、マイナンバーカードを直接預からずに取り扱うことができます。

この点については、厚労省の方で機器を用いての動画説明がされています。他にも、医療関係企業による実際の受付の流れなども動画で解説が出ているので、不安に思う方は事前に参考にすると良いでしょう。

【参考】厚生労働省:オンライン資格確認 説明動画

ただし、マイナンバーカードについてはまだまだ医院にカードを携帯する患者さんが少なく、顔認証カードリーダーで保険証データをスキャンできない事も多いので、レセコンに保険証情報を自動反映させたいクリニックは状況に応じて保険証スキャナーの導入も必要になる点をご注意下さい。

オンライン資格確認導入の費用と補助金活用

オンライン資格確認には以下のものが必要になります。

  • マイナンバーカードの読取・資格確認等のソフトウェア・機器の導入
  • ネットワーク環境の整備
  • レセプトコンピューター、電子カルテシステム等の既存システムの改修等

レセプトコンピューターが稼働する院内システムが揃っているのであれば、レセコンのシステム改修とオンライン環境を整えた上で、オンライン資格確認のポータルサイトでのアカウント登録・開始日を登録すればすぐに使える様になるという事です。システム改修についてはベンダーごとに対応内容や費用が異なるので、現在ご利用されているレセコン会社へご確認されてください。

あまり費用が高すぎる場合には厚労省が間に立ってくれる場合もある様です。不安な場合は関係機関に問合せをしながら進めると良いでしょう。

政府からは補助として、診療所の場合は顔認証付きカードリーダー1台まで無償提供となり、それ以上を用意したい場合は医院負担での購入となります。専用のカードリーダーは全4種あり、ポータルサイトで紹介されているので詳細はそちらをご参照下さい。実費で購入する場合には1台10万円程度かかるので、補助が有効な期間内に導入される事をお奨めします。

システム導入の補助金について2021年8月時点では、2023年3月31日までに補助対象事業を完了させ、2023年6月末までに申請を行えば、診療所の場合だと事業額42.9万円を上限に3/4の補助金交付を受けられると案内されています。

時流に応じ変更の可能性もあるので、ご自身が導入される際に医療機関向けポータルサイトをご確認頂くか、窓口に直接ご確認されると良いでしょう。

参照:医療機関向けポータルサイト

それ以外に、導入までは補助金で賄えても、導入後も続くオンライン月額利用料等のランニングコストは医院負担となるので注意しましょう。加えて、同時にオンライン請求を行う環境も整える場合は、別途初期費用と月額利用料が発生します。

詳しくは、社会保険診療報酬支払基金で手続き・諸経費について説明があるのでご参考にして下さい。

参照:社会保険診療報酬支払基金

オンライン資格確認の主な費用(平均)

項目価格
通信・保守費10,000円/月
初期費 ※132~42万 ※2

※1.初期費用内訳:PC・ルーター・工事・設置費用等の総額です。
※2.補助金上限額で設定される企業が多数

諸々を含め、オンライン資格確認に必要な費用モデルは上図の様になります。※こちらは2021年8月時点、当社で導入サポートした場合の相場となるので、予めご承知おき下さい。

オンライン資格確認の導入については、厚生労働省で動画等の詳しい説明も掲載されているので、導入をご検討中の先生は下記WEBサイトも併せてご確認ください。

【参考】厚生労働省:オンライン資格確認の導入について

これから開業する等、レセコンの導入から必要な場合は「歯科医院の電子カルテ・歯科用レセコン導入前に知っておくべきポイント」をご参照下さい。

歯科医院の業務効率化や環境改善について、クリニック経営者は他にも多くの事項を検討していかなくてはなりません。当社でも各種業者のご紹介を行っております。詳しくは下記ページをご参照の上、気になるサービスを選択してお問合せ下さい。

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