歯科開業全般

歯科医院の開業スケジュール ~ 開業フローからの逆算がポイントです ~

逆算からの歯科医院開業スケジュール
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歯科開業の流れについては「歯科医院開業までの流れと進め方」でお伝えしています。

開業準備中はスケジュールの管理がとても重要になります。いつまでに何を決めなくてはいけないのか、そのスケジュールを考えていきましょう。

開業スケジュールを立てていく時のポイントは、開院日をいつにするかということです。

あたり前のようですが、開業の準備は実に多岐に渡り、あれもこれも処理せねばならず、次第に重要な守るべき点が煩雑になっていきます。そうこうする内に、設定していたスケジュールが思い通りに行かず、あっという間に開業予定日が過ぎてしまい、契約した物件の賃料や設備費用だけが先行して発生する事も。

このような事にならないためにも、歯科医院の開院日からの逆算でスケジュールを組み立て、各作業を締め切り通り、確実に実行していくことが大切です。

開院日から逆算!開業スケジュールの組み立て方

それでは具体的に、開業スケジュールの組み立て方についてお話ししていきましょう。イメージをつけやすくするために、9月1日に開院すると仮定して話を進めます。

開業したい日から届出のタイミングを調べる

開業する=保険診療が出来る状態にするには、開業場所を管轄する地方厚生局事務所に保険医療機関指定申請書を提出し、指定医療機関コードを発行して貰う必要があります。この発行には約1ヶ月程度かかり、申請書の提出は事務所ごとに締め切り日が違いますが、おおむね指定日(保険診療を開始できる日)の前月初旬に設定されています。

たとえば、東京都を例にすると、9月1日に開院したければ、8月10日(事務局の定めた締め切り日)までに保険医療機関指定申請書を厚生局へ提出する必要があります。

また、この申請を出すには、保健所から交付される開設届の副本が必要になります。開設届は開設後10日以内に保健所へ届出を提出し、その後保健所の検査を受け、承認が下りると交付されます。立入検査の対応も含め、資料作成などの準備には2ヶ月ほどみておきましょう。

つまり、9月1日に開業したければ、6月には資料の準備を始め、7月には副本の交付を受け、8月初旬に保険医療機関指定申請書を提出できるように準備しておく必要があります。

※都道府県によって申請書の提出締め切り日に違いがあるので、厚生局のホームページで期限の確認をしておきましょう。開設届に関しては「歯科医院開業時の保健所届出の流れと注意点」で詳しくお話しています。

届出が出来る状態にするために内装工事期間を考える

これらの申請を行うには、前提として内装・機材搬入が完了し、保険診療が開始できる準備を終えてなければなりません。機材は、細かい補修などは別として、内装が完了していないと搬入できませんね。そのため、内装工事がいつ終わるかががポイントになります。

内装工事には、だいたい1.5ヶ月以上の期間を見ておいた方がいいでしょう。さらに、着工までに内装の業者を決定し、平面計画を確定させておかなければならないので、全体の準備期間は3ヶ月ほど取っておいた方がよいと思われます。

届出完了予定日から逆算すると、5月には内装準備を初めていないといけない計算になりますね。

医院を運営するためのスケジュールを考える

あとはスタッフの採用と、広告・集患です。開院後の集患、診療を円滑に進めるためにも、開院前にスタッフの研修や準備を終わらせておくこと良いでしょう。だいたい開業前の1ヶ月間に準備や研修を行う期間を設けておくと進行もスムーズなので、スタッフもそれまでに確定させる必要があります。

また、最初の開設届出の際に歯科医師・衛生士が確定していると、あとから変更の届け出をしなくていいので、なおのことこの時期に採用について決めておくことが望ましいでしょう。採用の手配から決定までに2ヶ月ほどかかるので、6月には手配を始めておいた方が良いと考えられます。

※人材の募集に対する応募状況は地域にもよるので、人材の募集時に専門の業者に相談してみて下さい。

融資を受ける場合いつ頃始めればいいのか?

次に資金調達です。資金でのポイントは、いつ・何に、どうやって支払うかによって、時期がかわります。

全て自己資金で開業される先生は、手持ちの現金の支払いタイミングだけでいいのですが、実際は金融機関から融資を受け、開業する先生がほとんどです。内装や機材にも支払いが生じるので、それぞれの計画が確定する辺りには融資が受けられるように手配しておきましょう。

融資の準備で2.5ヶ月以上はかかるので、開業の少なくとも5ヶ月前、4月には始められるのが理想です。

融資実行を受けるためには、融資を受ける金融提出に必要資料を作成・提出し、対面で面談を行う必要があります。その時に必要なのが、事業計画を立てておく事です。開業場所、物件、予定機材や数年先に渡る収益・返済の計画など、最低限の計画が決まっていなければ、正規の金融機関で融資の許可を得るのは難しいでしょう。

そのため、物件は開業を決めた計画当初に決めておく必要があります。

いかがでしたでしょうか?このように、開業日から逆算すると開業に必要なスケジュールが組み立てやすくなります。

開業時期をどうしてもずらせない・ずらしたくない場合は、この物件確定の時期までに、今ある物件の中から集患でき、安定的な歯科医院の選定ができる開業物件を選ばなければなりません。しかし、開業時期に取らわれすぎてしまい、焦って物件を決めてしまった結果、歯科医院の経営が上手くいかなくては本末転倒です。

インサイトではこのような事が無いように、先生のビジョンや状況をヒアリングしたうえで、歯科開業に適した物件の情報を常に収集し、WEBページでその一部を公開しています。

今回話した内容は、セミナーでより詳しく物件探しから資金調達、集患のポイントまで、理論と事例を交えながら分かりやすく解説しています。開業を考え始めたタイミングで必要な情報をまとめてお伝えしていますので、お気軽にご相談ください。

また、自分の場合はどうなのか?など、具体的な内容につきましては、お問合せ頂ければ、状況をヒアリングさせて頂きアドバイスなどを行うことも可能です。

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