歯科開業全般

開業準備期間ってどのくらい必要?開業医の体験談を元にシミュレートしてみました。

歯科医院の開業準備期間
この記事は約6分で読めます。

開業準備期間は長めに設定することが重要だと考える慎重派の方もいれば、準備期間をいたずらにとらず実践あるのみ!と考える行動派の方もいらっしゃるでしょう。

「適切な開業準備期間」は、状況によってそれぞれ違います。開業した先生の体験談をご紹介すると共に、一般的な開業準備についてシミュレートしていきます。

今回は、開業の期間をテーマに紹介しています。開業の全体像や流れについては下記で紹介していますのでそちらをご覧ください。

開業した先生の開業期間に関する体験談

それぞれ開業物件のタイプや状況によってもスケジュールが異なりますが、そのパターンを紹介します。

物件を決めてから開業まで約1年の場合の開業期間

<strong>A先生</strong>
A先生

しっかり準備はできたがデメリットも・・・

歯科医院を開業する際の物件選びは難しいと聞いていましたが、私の場合比較的早く理想の物件に出合いました。開業準備は物件探しと並行して行えばよいと思っていたので、準備のほうは正直整っていません。

ただ、このような物件は今逃すと後悔するのでは・・・と思い、契約に踏み切りました。

それからは「医療機器の調達」「内装・外装」「スタッフの確保」「広告・宣伝」など、やるべきことが盛りだくさん。それでも安易に進めず、一つひとつ納得しながら進めていきたいという想いがありましたので、開業にこぎつけられたのは、1年後でした。

準備期間はしっかり確保できたと思っていますが、その間家賃が発生します。1年分の家賃というと、かなり大きな金額になりましたから、予想よりも費用がかさんでしまったな・・・という気持ちは正直あります。

それでも、あの準備期間を確保したからこそ、今の安定経営が手に入ったと思っているので、私にとっては「仕方のない出費」だったのではと思います。

3ヶ月のスピード開業の場合の開業期間

<strong><strong>B先生</strong></strong>
B先生

家族と周囲の支えがあってこそ・・・

開業準備期間は無収入になる、という危機感からなるべく早く開業したいと考えていました。スピード開業を成功させるには、プロの力を借りることも大切だと思いましたので、コンサルタントもお願いしました。

自分がやるべき事「医療機器の選定」や「内装・外装の最終決定」などは、しっかりやりましたが、手続きなど「事務的な処理」はすべてコンサルタントにお任せしました。ほかにも「広告の打ち方や宣伝方法」についても、アドバイスを受けました。

また大切な事柄のひとつでもある「スタッフの採用」については、歯科衛生士の資格をもつ妻が活躍してくれました。

妻自身が、さまざまな病院で働いた経験を持っていたので、「どんなスタッフを採用すればよいか」「病院としてどのようなことに気を配ればよいか」を把握しているため、採用時も採用後も一任することができました。

そして無事、物件を決めてから3ヶ月後に開業することができたのです。いわゆるスピード開業でしたが、自分一人の力では到底無理だったと思います。信頼できるコンサルタントとの出会い、そして歯科衛生士の資格をもつ有能な妻がいたからこそ・・・だと思います。

歯科開業スケジュールの最適な期間とは?

開業準備期間が1年間だったという方と準備期間が3ヶ月だったという方の、お2人の例をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

それぞれ成功されている先生の例ですので、ぜひ参考にしていただきたいと思うのですが、必ずしも自分に置き変えて考えることは難しいかもしれません。

開業準備期間の最適な期間は、賃料発生や退職時期を遅らせることによりコストを軽減することができますが、スタッフ教育に時間を掛ける、内装デザインにこだわりたいなど先生の方針によっても変わってきます。

また、新築テナント案件などは、1年以上もかかる案件が多くあります。そうなった場合「無収入期間が更に長くなってしまうのでは?」「更にコストがかかってしまうのでは?」とご不安をお持ちになるかもしれませんが、インサイトのサービスを利用してご開業される場合、働きながらご開業準備を進めることも可能です。

まずはいつまでにどのような事を決め、いつまで勤務できるのかなど、コンサルタントに相談し1度シュミレーションしてもらうとイメージが付くでしょう。

開業準備期間6ヶ月のスケジュール参考例

期間内容
6カ月前・物件決定
・事業計画書作成
・融資相談
5カ月前・医療機器選定
・内装、外装の設計相談
・資金調達
4カ月前・スタッフ募集準備
3カ月前・内装、外装の施行等開始
・スタッフ面接等開始
2カ月前・広告、宣伝等開始
・内装、外装完成
・機材設置
1カ月前・行政届出
・スタッフ決定、教育
・広告、宣伝継続(内覧会の実施等)
※今回は物件決定をスタートにしていますので、物件探しの期間は含んでいません。

理想の物件にいつ出合えるかはわかりませんので、物件探しと並行して前勤務先への退職の相談や、歯科医院開業のための情報収集(周囲からの話やWEB、セミナーなど)を行うことが大切です。

開業するなら何月がいいのか?というようなご質問を頂くこともありますが、その開業する月々や地域の環境によって、それぞれ集患戦略を建てていれば、何月でも問題ないと考えています。

3月中に開業が出来るのに、4月開業にこだわり開業を遅らせることも可能ですが、賃料発生をしているとしたら、当たり前ですが遅らせた分だけ空家賃が発生します。

開業月にこだわるよりも、開業準備期間に余計な費用が掛からないよう、しっかりと開業準備の進捗を管理することが大切ではないでしょうか?

開業月は、いつでも大きな問題はありませんが、日程選定には注意しましょう。特に開院前に内覧会などのイベントを行う場合、内覧会日から開院日までの期間が空きすぎていると、予約が取りにくくなってしまう場合もあります。

内覧会日程と被る地域のイベントがないか?また、内覧会の開催予定日が、連休になっている場合は、集患戦略に問題はないか?など特別な注意が必要です。

歯科医院の流れやフローについては、別途紹介していますので、併せてご覧ください。

スムーズで確実に歯科医院を開業するために、今回お話しした内容を参考にしていただければ幸いです。

自分の場合は、具体的にどのようなスケジュールで進めていけばいいのか?など、状況をヒアリングさせて頂き、無料で先生に合わせた開業スケジュールサンプルを作成することも可能ですので、お気軽にインサイトまでご相談・お問合せ下さい。

体験談やケーススタディに関連したコンテンツ

歯科開業の流れや進め方に関するコンテンツ

タイトルとURLをコピーしました