歯科医院経営講座⇒材料の在庫を減らそうと思ったら


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院長、こんなときどうしますか?~材料の在庫を減らそうと思ったら~

<ケース>
インサイト歯科医院は、開業3年目でこれまで順調に医業収入を伸ばしてきました。しかし、税理士からの報告で材料費率(売上に対する材料費の割合)が通常の医院よりも高いとい告げられました。

院長としては、特に高い材料を使っているという意識はないので、腑に落ちません。

そこで材料店への発注を調べてみた所、なんと在庫切れを防ぐために約3ケ月分の在庫を持っていました。中には6ケ月分にも相当する在庫になっていた商品もあったのです。

院長は在庫を減らそうと考えましたが、どのようにしたらよいのでしょうか?

○材料の在庫管理方法

材料の在庫管理

歯科医院の売上に対する材料費率は、私の統計では7%~9%が一般的です。これより、高い比率の医院は在庫管理がなっていませんが、もしくは医院内で無駄づかいをしているか、盗難されているかです。

消耗品である材料発注作業は発注ノートを作り、在庫がなくなったとスタッフが思ったら、ノートに記載し、材料店の営業マンがそのノートを見て、自分のノートに転記する。そして、納品されたら納品書とノートを付き合わせて、間違いがないかをチェックする。

大方こんな管理方法を行っているのではないでしょうか?
つまり、誤納品のチェックはしていますが、在庫の管理はされていないわけです。

医院に伺って、在庫を調べてみると、どの医院でも「不良在庫」があるのはこのためです。あちこちに散在して在庫を保管しているために、在庫がないと勘違いして発注してしまうことによります。

そこで、院内にスペースがあるのならば、在庫棚を作ることをお勧めします。

その際に、棚は平行ではなく、少し前面が下がっている棚を作ります。その棚ごとに商品名の書いたラベルを貼り、必ず在庫をそこに置くようにします。基本的にスタッフの事務作業の軽減と、在庫をあちこちに収納しないようにするためです。

そして、「発注ノート」を棚に置き、在庫の管理はすべて材料店の営業マンに任せてしまいます。営業マンが、棚を見て不足している材料を発注ノートに記載し、自動的に補充するような仕組みを作れば、いちいち材料のチェックをスタッフがする手間が省けるわけです。

そんなことをすると、材料を無駄に発注されてしまうのではないかと思い勝ちですが、絶対にそんなことはありません。しかも、営業マン自らのチェックだから、商品知識のない新人スタッフとは比べ物にならないくらい正確になります。

次によくありがちなのは、材料が見当たらないので、在庫の新しい材料を開封してしまう場合です。

実際は、モービルキャビネットに入っているのに、新しいものを開封して使ってしまうケースです。実は、材料費が多くなる理由のほとんどはこのケースです。

これに関しては、新しい材料を開封する前に、在庫棚の商品ラベルにその払出日付を記入すると改善できます。つまり、材料が見当たらないので、在庫棚から新しい商品をおろそうとする時に、必ず前回の払い出し日を確認するわけです。

この日付が消耗頻度に比較してあまりに短いようなら、院内のどこかに必ず材料はあるはずというわけです。

同時に、この仕組みは院内における材料の盗難も防ぐことができます。特に、分院展開をしている法人などでは、代診の材料の盗用がありえるので、非常に役立つ仕組みになります。