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歯科開業時の出店申込の流れと賃貸借契約の注意点

歯科開業時の出店申込の流れと賃貸借契約の注意点
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開業したい物件が出てきたら、内見で物件の状態をよく確認し、その物件の仲介業者(または貸主)に出店申込を行います。内見時に見ておくポイントについては、別の記事で紹介しているので合わせてご覧ください。

今回は申込の流れや注意点について詳しく解説していきます。

出店申込の流れ

出店申込は、内見で良いと思う物件が見つかり次第、できる限り早めに出店申込を行いましょう。出店申込を行っても契約の確約にはなりませんが、申込を行った順に契約の優先権が得られる場合が多いです。

出店申込には下記が必要なので、予め準備しておかれてください。

  • 事業計画書(物件による)
  • 出店申込書
  • 身分証明書(免許証・保険証・パスポート等)
  • 保証会社申込書(保証会社加入が必須の場合)

また、法人で申込を行う場合には、経営している医院の概要や決算書などの提出を求められるケースもあるので、それらの書類の提出準備もあわせて進めておくとスムーズです。

出店申込書は、仲介業者・貸主側で出店申込書の用意がある場合が殆どで、以下のような内容が記載項目として掲載されています。

  • 使用目的
  • 賃貸借条件(賃料・敷金(保証金)・契約形態・店舗/敷地面積 等)
  • 契約期間

出店申込をする前に確認しておくべきポイント

出店申込をする前に、賃料、工事区分や工事費用、開業などに影響する以下の項目については必ず確認なさってください。

引渡し条件(スケルトン・現状有姿・残置・工事区分)

引渡条件については物件資料に記載されていますが、実際の建物を見てみると、記載には無かった残置物や柱が残されている事もあり、それらを撤去するのに予定になかった工事日数・費用がかかる場合もあるので、必ず内見で確認をしておきましょう。内装業者が決まっている場合には内見に同行してもらい、専門家の視点で引渡状況を一緒にチェックして貰うのがベターです。

通常の歯科開業には大型機材の使用や床下配管が必須なので、給排水や電力動力容量・天井高など、不足していると追加工事に関わる部分については特に入念にチェックしておきましょう。電力容量の変更には何百万単位の追加費用がかかる場合もあるので注意が必要です。

あわせて、誰がどの工事・費用を受け持つのか、工事区分についても把握しておきましょう。工事区分については「ショッピングセンターで歯科開業する場合の注意点」で解説しています。

契約形態

歯科事業で賃貸借を行う場合、物件の契約形態は大きく以下の2種類になります。

契約形態契約期間満了時の扱い補足
普通建物借家賃貸借契約契約更新ができる更新について基本的に借主の権利が保証される。
(ただし、重大な違反行為があった場合等は反故になる可能性もある)
定期建物賃貸借契約自動的に契約終了更新は不可。
(ただし、再契約について貸主と協議の上は可能)

建物賃貸借では普通建物借家賃貸借契約が一般的に多く、築年数が古く将来的に建て替えを検討する物件や商業施設などの場合は定期建物賃貸借契約のケースが多いです。定期建物賃貸借契約の場合は契約の更新ができない(再契約は相談の上、可能)ので契約年数に注意が必要です。

医療機関として使用する建物を賃貸借契約で借りる場合、安定して持続的に事業を続けるのに適正な契約期間であるべきと、行政で指針を定めています。たとえば、定期建物賃貸借契約で3~5年程度の契約年数では開設許可の審査時に申請が通らず、開業できなくなる恐れがあるので、十分に気を付けておきましょう。

内装・設備条件

内見した際に機械室や室外機の置場の関係等で、壁や柱に穴をあけるなどの工事が必要な場合には、貸主の許可が必要です。この様な内装・設備条件を明確にしておかないと、後々トラブルに発展する事があるので、事前に必ず確認されてください。

看板設置の可否

歯科経営における建物認知の重要性については「歯科医院の効果的な看板の出し方」で解説していますが、オーナーが定めた規定以外の場所で看板を出す時には、事前の許可が必要なので、こちらも事前にきちんと確認が必要です。

償却

物件概要書等に敷金償却と明記されている場合は、将来退店する際に、預けてある敷金や保証金等から敷金の償却分を差し引いた金額が戻ってきます。また、場合によっては契約時償却と明記している場合もあります。償却と明記されていた場合はどれ位の金額が償却されるのか、きちんと確認しましょう。償却期間は概ね1ヵ月~2ヵ月が多いです。

なお、償却された金額の使い方に決まりはありません。なので、金額が大きいほど退店する時に自分の手元に戻るお金は少なくなります。また、条件をよく確認しておかないと退店時にトラブルになる事もあるので注意しましょう。

引渡と賃料発生の時期

通常、賃貸借の契約を締結し契約期間(引き渡し)になると賃料が発生します。内装工事期間中も賃料が発生するので、建物の引渡しと医院開業の時期が大幅にずれると、収入がないまま多額の固定費が発生する事になるので、よく確認しておきましょう。

出店申込から審査結果が出るまで

出店申込では、その物件で出店する希望条件などをまとめた出店申込書を提出します。出店申込書はテナント側で書式が決まっている場合もありますが、特に指定がない場合は仲介業者のフォーマットを利用する事が多いです。また、保証会社利用の場合は出店申込と同時に保証会社の審査も行う事が多いので、必要書類をすぐ準備できる様にしておきましょう。

立地の良い人気物件は、歯科以外の業種からの申し込みが入ることも多いので、出店申込時に提出する資料で、ご自身や歯科医院が入ることの魅力をしっかりとアピールできる資料も用意しておくと良いでしょう。

また、出店申込審査の基準や優先順位の決め方を事前に確認しておく必要もあります。今自分が何番手の申込なのか、審査結果は申込順なのか、オーナーの意向(クリニックを希望しているのかどうか)などに結果が左右される事があります。もし他に決まってしまう可能性が高そうな場合には、審査結果を待つ間に並行して他の物件候補を探しておく必要があります。

賃貸借契約でよく確認しておくべきポイント

出店申込の審査に通ったら、賃貸借契約を行います。「家賃が変わる?! 歯科医院開業時のテナント賃貸条件ポイント」でも紹介していますが、次の点は特に確認していきましょう。

契約形態と期間/保証金や敷金/契約解除/中途解約/退去時の物件状態/特約

他にも、契約書の特約事項についてもよく確認しておく必要があります。たとえば、看板の色を変えるなどといった些細な事でもオーナーの許可が必要になるなど、一般的な条件に比べオーナー側に配慮した条件が記載されている場合もあります。

また、賃貸契約は建物のオーナーと契約する事になりますが、建物と土地の持ち主が違う場合には、土地のオーナーが歯科への賃貸を了承しているかどうかという確認も必要になります。その場合、建物と土地双方のオーナーが交わしている契約の写しを開設許可申請で提出する必要がありますので、この点についても留意しておきましょう。

出店申込の流れと賃貸借契約の注意点についてお話しました。

集客力のある貸店舗ほど人気が高く、申込が殺到するので、物件選定をスピーディに行い出店申込にあまり時間を掛けない方が良い物件の契約を決めるコツです。

しかしながら、確認すべき事項がこれだけ多く、しかも平行して複数の物件を選定しなければならない状況もあるとなると、物件の選定から契約までこぎつけるのが大変難しく感じられるかもしれません。

インサイトでは、これらの内容を全てフォローアップしているので、安心して物件契約締結を行って頂いております。

一般には流通しない非公開物件なども含めた歯科向けの店舗情報を多数保持しています。また、弊社で取得している物件の一部はWEBでも掲載してしていますので、ご興味がありましたらお問合せ下さい。

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