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開業時の内装を考えよう!歯科医院内は土足がいいのか?スリッパが良いのか?

歯科医院内は土足とスリッパどっち?
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歯科医院の内装を考える時、「院内はスリッパと土足のどちらが良いのか?」とのご質問を頂くことがあります。最近は土足の歯科医院が増えていますが、近年は、段差のない内装を採用する歯科医院が多くなったので、この傾向を踏まえた結果とも受け取れます。

しかし、実際に土足の方が良いのでしょうか?歯科医院ではどちらが適しているのか、それぞれのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

スリッパ派の意見

まずは、スリッパに履き替える場合です。

良いところ

よほど通い慣れている人は別として、診察を受ける時、大体の患者さんは緊張していることでしょう。歯医者さんでどんな治療をされるのか、痛い思いをしないか・・・不安も抱えているかもしれません。そんな中、靴をスリッパに変えるだけで、足の締め付けがなく、リラックスした状態で診療を受ける事ができます。

治療によっては長い時間が必要なケースもあります。長時間靴を履いているのは窮屈なので、足の締め付けがない状態で過ごせる方が楽な場合もあるでしょう。また、スリッパを履きかえてもらうことで、靴についた汚れが院内に入りにくく、埃や菌などの侵入を防ぐ事ができます。院内の衛生をキープするのにも役立つでしょう。

問題点

平時はリラックスできるスリッパも、診療台の背もたれが倒れ横になると足先がまっすぐになり、脱げそうになってしまいます。脱げないように気を使うあまり患者さんの体に余計な力が入れば治療もしづらいですし、何より患者さんにとって苦痛です。治療中痛みを感じると思わず体に力が入り、足が張ることも。そうなると、足先に引っかかるスリッパは、いっそ邪魔に感じられるかもしれません。

治療以外でも、スリッパを使うには靴の脱ぎ履きが面倒です。足腰の不自由な高齢者の方や、ブーツや革の固いビジネスシューズを履く方などは、なおさら脱ぎ履きが億劫でしょう。靴を履き間違ってしまうなどのトラブルが起きる可能性もあります。

また、生活習慣も人それぞれなので、他人が履いたスリッパを使うことや、家以外で靴を脱ぐのにはちょっと抵抗がある・・・などと感じる人もいるかもしれません。

解決方法と対策

衛生面の問題を解決するには、使い捨てスリッパにするか、入口にスリッパ用の除菌装置を置くと良いでしょう。使い捨てでない場合、一度履いたスリッパは別のかごに集めてから除菌装置の中に戻すなど、きちんとした衛生管理が行き届けば、患者さんも安心してスリッパを使う事ができます。

洗えるスリッパを利用して患者一人ごとに洗い立てのスリッパを使用している医院もあります。診察台でのスリッパ着用は患者さんの任意にしているところも多いですが、脱ぐことをルール化している医院もあります。このように、ユニットの足元は直接素足が触れる事もあるので、カバーを取り付け、除菌や掃除といった手入れを行いましょう。

内装の面から考えると、院内でスリッパを採用する場合には、外履きと内履きを切り替える玄関が必要になります。踏み込みスペースや靴箱の設置などの間口が必要になるので、内装計画の時に気を付けるようにしましょう。

土足派の意見

次に、靴のままの場合です。

良いところ

院内を土足にする場合、履き替える必要がないので脱ぎ履きの手間がありません。足腰のコンディション次第では靴の脱ぎ履きが大変になりますし、自分にとって履き心地の良い靴のままの方が楽な場合もあります。最近は段差の無い歯科医院も増え、車椅子やベビーカーを使っての来院にも対応できるようになりました。介助者の方もそのまま院内を土足で移動できる方が楽に感じられるかもしれません。

問題点

土足だと、靴に付着した汚れがそのまま院内にも入ります。最近はアスファルトで舗装された道が増えたので以前ほど土を踏む機会は減りましたが、それでも靴の汚れがユニットや床に残ることがあるでしょう。雨の日は水分も含むため、対応がより大変になると予想されます。

解決方法と対策

定期的に床やユニットの掃除をし、院内の清潔を心がける必要があります。ユニットの足元にはカバーを装着し、汚れを防止しましょう。雨の日は玄関マットの設置を多くする、吸水マットを利用するなどの工夫をすると、掃除も楽になります。また、内装計画の段階で床材を汚れにくい素材にしておくと後々の管理も楽ですし、清潔感を維持しやすいでしょう。

除菌や粉塵対策については、口腔外バキュームや照明、空気清浄器、アロマミストなどで対応している医院もあります。方法はともあれ、土足だと衛生面を気にされる患者さんもいらっしゃいますので、院内の衛生についてどのような取り組みをしているのかPOPを掲示してアピールすると、患者さんも安心して院内の時間を過ごすことができるでしょう。

最終的なジャッジは患者さんの為に

スリッパ派でも、土足派でも、たくさんの対応方法がありますが、歯科医院ごとに対策が違います。本当に歯科医院によってまちまちなので、院内でどう振る舞ったらいいのか迷う患者さんも出てくるほどです。

スリッパがあっても、診察台に上がる時はスリッパを脱ぐように指示するところも・・・初めて行った人には中々分かりにくいルールかもしれません。こういう場合には、スリッパは脱いで座る様に待合室や診察室入口にお知らせを出しておくなど、患者さんにもルールを分りやすくしておくことが望ましいでしょう。

改めて見直してみて、皆さんの中でもどちらが歯科医院にとってより良いか結論は出たでしょうか?

――おそらく、答えは「NO」でしょう。

だまし討ちの様に感じるかもしれませんが、この問題、どちらが歯科医院にとって正解ということはありません。

ここで一番重要なのは「患者さんにとって土足の方がいいのかスリッパの方が良いのかについて考えること」そのものです。スリッパにするか悩まれている先生も、最終的に患者さんの目線に立ってみると院内は土足で入ってもらった方が良いと考える先生も多いようですね。

歯科医院のイメージによっても変わってきますので、先生の診療スタイルに合わせて検討してみてください。

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