低コストで歯科医院を開業したい場合の4つの方法と注意点


低コストで歯科医院を開業したい場合の4つの方法と注意点

以前にも歯科開業トピックスで、開業資金に関わるポイントについて、過去にも以下のようなさまざまなコンテンツを配信してきました。

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今回は「開業にかかる費用をあまりかけたくない」とお考えの先生方向けに、低コストで歯科医院を開業するにはどうすればいいのか?をテーマにお話ししていきます。

まず低コストで開業したいと考えた場合、次のような方法がよく話題に上ります。

・居抜き物件を利用する
・賃料ができる限り安いところで開業する
・機材を必要最低限だけ導入する
・集患を業者に頼らない

上記の例では、低コストで開業できるメリットがあります。しかし、これらの内容で開業を進めた時に、注意しなくてはならない点やトラブル、デメリットも多くあります。それぞれの項目に分けて細かく解説していきましょう。

○居抜き物件の利用

居抜き開業した場合、配管やユニットなどの設備もついてくれば大がかりな内装工事も必要ないし、家賃とスタッフの給料くらいでやっていけるのでは?と、大半の方はお考えになるでしょう。

しかし、居抜きで安い物件となると、機材が長年使い古されたために安価になっている場合が多く、開業後すぐに買換えや修理が必要になってしまったり、下手をすると全撤去して内装を一からやりなおす必要もでてきます。そうなると撤去費用などがかえってかかってしまい、結果的に新規で導入していた方が安く済む場合があるのです。

また、居抜きの賃貸や譲渡は契約内容の取決めが煩雑で、トラブル時の責任の所在や所有権などについて事細かにチェックする必要がありますし、契約後に問題が発生した時には自分が費用を負担しなければならない事もあります。これも余計な出費になるので注意しましょう。

また、何より怖いのはその場所で集患ができるかどうかという点です。患者さんがこなくて廃業になった医院の居抜きの場合には、新たにその場所で開業しても集患が難しくなるでしょう。収入が得られないのであればいくらコストを抑えても意味がないので、市場調査をよく行いましょう。詳しくは「居抜き物件のメリット・デメリットと注意点」で詳しく解説しているので参考にして下さい。

ポイント

内装や設備で初期費用・ランニングコスト共にかからない物件が低コストへの道。
居抜きはリスクに注意。新規やスケルトン渡しの物件の方がいっそ安く済む場合もある。

○賃料の安い物件で開業

賃料は毎月かかるし事業用の賃貸だと敷金・保証金も多めに取られるので、ここを抑えるのがコスト安の秘訣、と考える方もいるのではないでしょうか。

もちろん、それなりの広さでも安い物件は色々あるでしょう。たとえば、都内25坪で賃料月30万(保証金3ヵ月)だと初期費用は120万円、同坪数で賃料月50万(保証金8ヶ月)だと初期費用は400万円となり、スタート費用で3倍以上の差が出ます。

ただし、問題なのはその物件で収益があがるかどうかという点です。

比較 家賃 周辺環境
賃料低い 30万(保証金3ヵ月)
→初期費用120万
・商店街の半ばにある
・間口狭めのビル2階
・駅からの動線の先にはまばらな住宅地のみ
・人口分布は壮年の一人世帯が多い
賃料高い 50万(保証金8ヶ月)
→初期費用400万
・人の流入の多い駅前
・1階の路面店
・間口が大きい
・近くにスーパーや大型マンションがある
・人口分布はファミリー層が多い

もし先の条件に上記の様な周辺環境の違いがあった場合、どちらの方に収益性がありそうでしょうか?より人が来てくれそうな場所の方が大きな利益を見込めますし、賃料もそれなりにします。

事業計画を立ててみると、賃料で出る初期費用や年間コストの数百万の差など医業収入であっという間に埋まる事もあるので、物件は賃料の安さだけで安易に決めず、費用対効果の大きさでコストを考えると良いでしょう。

ポイント

賃料はただ安ければいいというものではなく、収益性があるかどうかが一番の鍵。
費用対効果の大きいほど、低コストな物件といえる。

【関連】歯科開業の事業計画書の作り方とポイント

○必要最低限の機材導入

一般的な歯科であればユニットとバキューム、滅菌機、レントゲンなどは最低限揃えるとして、それ以上の物で何が必要かは各々の診療スタイルにもよるでしょう。実際に開業の現場でお話しを聞いていると、セレック、マイクロスコープ、CT複合機、自動洗浄機、等々を最初から入れたいと言う先生がそれなりにいらっしゃいますが、低コストで開業したいのであればこちらも考えどころです。

確かに診療の幅や治療の安全性、訴求効果は高くなりますが、患者さんを少しずつ取り込んで経営を安定させていくスタイルの事業内容で、最新の医療機器を全て揃えてスタートすることが良いかどうかはよく検討する必要があります。

診療を開始してすぐは患者さんとの信頼関係を築いていく期間であり、診療も保険診療が中心になりがちです。医療機材は設備投資であり広告宣伝ではありませんので、絶対に今必要なのか、将来的に利益が出てからの購入でいいのか、運営状況や事業計画、開業資金との兼ね合いを見て決めていきましょう。

選定機器により異なりますが、凡そセレックで1200万、マイクロスコープで500万~、パノラマレントゲンを2Dから3Dにするのに差分500万ほどかかるので、この3点でトータル2000万円を初期費用から減らす事も可能です。将来を見据えて優先順位を決めていきましょう。

ポイント

機材は優先順位をつけ、最初に必要な物をしぼって導入する。
事業計画と開業資金を頭に入れ、まずは最小限で利益を生む院内設備に投資する。

【関連】歯科医院の開業設備:設備リストサンプル

○業者を頼らない集患

内覧会を開いたり、ホームページを作ったり、SNSを利用したり、チラシや看板を出したり、集患には様々な方法があります。特に内覧会やホームページは業者に依頼すると数十万~数百万といったコストがかかるので、この費用を削りたいという方も少なくありません。

しかし「開業後に暇になる歯科医院の負のスパイラル」でもお話している通り、ただ開業するだけでは患者さんに来て貰えず、最初の内はいたずらに運営費用を浪費するだけになってしまう事にもなりかねません。

ご自身でしっかりとした集患対策を行えるのであれば構いませんが、開業当初から患者さんがたくさん来る様に対策をしておきたいという事であれば、特に内覧会とホームページは投資すべき費用として考えておくと良いでしょう。

最近では簡単にホームページを作れるシステムも豊富にあるのでご自身でできる方も多いと思いますが、医療機関は医療広告規制に気をつける必要がありますし、多くの人に見て貰うにはSEOなどの知識も必要になります。

内覧会は、患者さんを予約に導くノウハウが必要になるので、専門業者に任せた方が準備も楽ですし効果も大きいでしょう。

どちらも費用対効果の考え方次第になるので、開業時の集患に不安のある方は最初から切り捨てず、まずは業者に話を聞いて検討してみると良いでしょう。

ポイント

集患は自分でできるなら業者費用を削ってOK。ただし、専門知識が必要なので業者に任せた方が楽だし効果大。後々の収益に響くので、コストパフォーマンスを重視した方が良い。

【関連】インサイトの内覧会サービス「ふれあい見学会」

いかがでしたでしょうか?主に収益が出るように個々のコスパを重視するといった内容で、何一つ費用が削減できないのでは?と思った方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、コストをただ削れば初期費用や事業資金の返済額は確かに押さえられますが、その分リターンも少なくなるのが事業経営の現実です。この見極めを誤ると、収入を増やす為に開業したのに、下手をすると勤務医時代より収入が減る事もあります。

まずはご自身が何の為に開業したいのか、どのような経営を行いたいのかをよく考え、自分にとっての低コストの意義を見出しておきましょう。

今回ご紹介した、歯科向けの物件や機材、集患施策については当社でも開業支援サービスをご提供できます。ご自身の開業の場合にはどうしたらいいかご不安や迷いのある方は、事業計画や資金調達の段階からもサポートも可能です。まずは一度、下記フォームからお問合せ下さい。

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