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歯科医師の男女比率と今後の予測~日本人口の男女比推移と歯科医師の男女比推移から分かる傾向と今後~

歯科医師の男女比率
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今回は、厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査から歯科医師数の男女比、年齢ごとの分布と今後の推移予測について紹介していきます。

歯科医院の数については、別記事で紹介しているのでご参考ください。

日本の総人口における男女数推移と男女比

歯科医師数と男女比を考える前に、日本の総人口における男女比の増減について見ていきましょう。

日本の総人口数(男女別)年次推移

総務省統計局の人口推計を参考に、1947年から2017年の日本の総人口及び男女数の推移を表すと、上のグラフの様になります。

戦後増加傾向にあった人口も、1979年には前年差が100万人以下となり、その後緩やかに伸び率が下降。2008年には人口そのものが前年比マイナスの減少傾向に入りました。人口に対する男女比は、女性の方がやや高く、比率は男性49%・女性51%の割合になっています。

歯科医師の男女数と男女比の年次推移

それでは早速、歯科医師の男女数と男女比の年次推移を見ていきましょう。

歯科医師の男女数と男女比の年次推移

上記グラフは、平成28年医師・歯科医師・薬剤師調査より1969年~2016年の歯科医師数の男女別推移と男女比をグラフにしたものです。

歯科医師数は、男女ともに増加傾向にあります。1969年時点では、歯科医師数が37,406人(男性:33,358人/女性:4,048人)でしたが、2016年時点では、歯科医師数が104,533人(男性:80,189/女性:24,344人)まで増加しています。

男女比については、1969年~1976年までは、歯科医師の総数に対して、男性歯科医師が89%・女性歯科医師が11%と同様の推移でしたが、1977年以降、徐々に女性歯科医師の割合が増えていき、2016年では男性77%・女性23%と、女性の割合が増えてきています。

男女別歯科医師増減率 年次推移

このグラフは、男女別歯科医師数の前年度比増減率をグラフ化したものです。このグラフからも分かる通り、増減率で見てみると男性歯科医師数の増加率よりも女性歯科医師の増減率が高い水準で推移しています。

これには、女性の社会進出が影響していると考えられます。それでは、歯科医師以外の業種では男女比はどのように推移しているのでしょうか?

歯科医師と就業者全体の男女比

上記の表は、厚生局の医師・歯科医師・薬剤師調査と総務省の労働力調査の調査年を揃えて、男女比を算出したものになります。歯科医師・就業者全体のどちらとも、女性の割合が増加傾向にありますが、割合を比較すると歯科医師の方が女性の社会進出は、まだ低い水準となっていることが分かります。

年齢別に見た歯科医師の男女数と男女比

ここまで、推移を見てきましたが、年齢別に見た男女比はどのようになっているのでしょうか?

年齢別に見た男女別歯科医師数

厚生労働省が直近で公表している平成28年医師・歯科医師・薬剤師調査を元に、2016年の年齢ごとの歯科医師数を男女別にまとめたものです。

男性歯科医師は57~58歳が約2,400人と最も多く、その後下降しています。下降は、老年により現職をリタイアする辺りを中心とし、60歳までは2,000人台をキープしていますが、その後は減少が加速し、70歳以降段階的に下がっています。

一方、女性歯科医師は、増えてきた時期が近年であることや、男性歯科医師と比較して総数が少ないというような前提がありますが、傾向としては40~45歳あたりから緩やかに減少傾向にあることがグラフから分かります。

多くの割合を占める男性歯科医も、その実情は50歳以上が過半数以上を占めており、これから10~20年の内に日本の歯科医師数の半数以上がいなくなる事が予想できます。歯科医師が大幅に減り、人口そのものの高齢層が最盛期を迎えるので、歯科診療の現場で供給不足が始まると予想されます。

このような時代を迎え、女性の社会進出が政府主導でも進む中、女性の歯科医師が現職にあり続けるという事が今後は大きな意味を持つという事が伺い知れます。

また、男性・女性の別なく言える事ですが、国の人口推移の影響を受け、歯科業界自体が今大きな変革期を迎えつつあります。歯科医師に終身雇用という慣例はないので、職を続けていくにあたり、いずれは開業するという選択肢も生まれてくるでしょう。

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