歯科開業全般

歯科医院の継承が増える時代に知っておくべきこと

歯科医院の継承が増える時代に知っておくべきこと
この記事は約5分で読めます。

日本の少子高齢化が加速する中で歯科医師の高齢化も進み、歯科の開設者総数56,800人の内、60歳以上の割合が約5割を占め、今後現役をリタイアされる方の急激な増加が予想されます。(参考:厚労省「医師・歯科医師・薬剤師統計」(令和4年)

そのような背景に伴い、現場でお話をお伺いしていると、歯科開業については新規クリニックの立ち上げの他に、継承についてお悩みの先生も大分増えてきました。

そこで、親族や勤務先の医院をどの様に受け継いでいったらよいのか?というお悩みの方に向けて、改めて歯科医院継承の考え方や注意点などについてご案内します。

歯科医院の新規開業を取り巻く環境と現状について
歯科医院を開業してからどうなっていくのかを考えるには、現状をよく知ることが大切です。歯科医院の新規開業を取り巻く環境と現状について紹介します。まずは、歯科医院の開業を取り巻く環境がどうなっているのか、推移や傾向から現状をお話していきましょう。

歯科医院継承の種類

歯科医院の継承と一口に言っても、様々なケースがあります。

現役リタイアを見据えた親と一緒に働きながら地域の患者さんの診療を途切れさせる事なく継承する場合や、長らく勤務していたクリニックを院長先生の意向で譲り受けるなど、状況は人によって様々です。

その中でも共通したメソッドやポイントがいくつかあるのでご紹介します。

歯科医院継承の考え方

歯科医院継承の利点

日本で歯科医院を継承するとなると、次世代の家族や、長年勤務してくれた次世代リーダーに引き継ぎ、医療サービスを引き続き提供するケースが多く見受けられます。

この場合、経営者の交代は家族や、それに等しい知己の内で行われるので、クリニックの運営方針や環境の変化は比較的少なく済むでしょう。それ故に、継承するクリニックと地域の患者さんが良好な関係を築いてきた場合には、新たな経営者に変わるとしても、しかるべき告知や手順を踏む事で、クリニックと患者さんの信頼関係は比較的維持しやすい傾向にある事が利点です。

低コストに囚われず、費用対効果を念頭に置く

その一方で、歯科医院の継承では、土地や建物、機材などを引き継ぐ事になるので、新規開業より初期費用が安く済み、全体的に低コストで済むのでは?と思われがちです。しかし、リスクを把握せずに踏み切ると、新規開業より返ってコストがかかってしまった、という結果に陥る事も間々あります。

また、「低コストで歯科医院を開業する4つの方法」でも解説していますが、居抜きや継承の開業では収益性が大きなカギを握るので、コストを安く抑える事ばかりにとらわれず、コストパフォーマンスを重視する事が肝要です。

低コストで歯科医院を開業したい場合の4つの方法と注意点
低コストで開業したいと考えた場合、次のような方法がよく出ます。「居抜き物件・賃料を安く・機材は必要最低限だけ・集患で業者を利用しない」しかし、これらの内容で開業を進めた時に、注意点やトラブル、デメリットも多くあるのでそれぞれ解説します。

歯科医院継承の注意点

親世代の歯科医院を継承する場合

親世代からの歯科医院を継承する場合、開業当時に比べマーケットや資産内容も遷移しているので、継承の前に地域の歯科医療ニーズ、設備の状態(修繕・買い替え・譲渡代等の検討)、スタッフが残ってくれるかどうかなどの課題を洗い出しておく必要があります。その上で、新規開業とどちらにメリットがあるのかを検討しましょう。

親族での歯科医院継承」でご紹介している7つのチェックポイントを参考に、ご自身のケースの継承にメリットがあるかどうかをまずはご判断下さい。

【歯科医院を継ぐか独立かで悩んでいる方必見】親族での医院継承のメ…
歯科医院を継ぐか悩んだら、まずは継承のメリットとデメリットを挙げ、それぞれのポイントがクリア出来ているかどうかを考えてみてください。承継については子に引き継ぐか、第三者に引き継ぐかでも注意すべき点や経費は大きく異なります。

継承と新規開業どちらにメリットがあるか?という点について比較検討するためには、新規開業の概要についても把握しておく必要があります。

近年の開業傾向、開業する場合・しなかった場合それぞれの良否、継承以外のメジャーな開業方法にはどのような形態があるか?など、以下の記事で系統別に分かりやすくご紹介しています。

歯科医院を開業するメリットとは?4つの開業方法と開業しない選択
開業年齢の高齢化が進んでいる影響もありますが、歯科医師の価値観の中に「そもそも開業をしない」という選択肢の土壌が育ってきた事も大きいでしょう。そこで、開業する・しないそれぞれにおけるメリットとデメリットをご紹介します。

土地を継承し歯科医院を造る場合

土地を継承し建物を新築する場合、建築の段階から携わるので理想の医院を作りやすいメリットがある一方、相続税(または適正な売買価格)・高額な建築資金・毎年の固定資産税がかかるので、歯科医院を経営する中でそれなりの固定資を支払う必要があります。また、歯科用の建築物は売却・賃貸などの転用が難しくなる事も頭に入れておきましょう。

加えて、受け継ぐ土地が必ずしも集患できる立地とは限らないという点にも注意が必要です。立地に収益性がないと判断された場合は、改めて自分の開業をどうしたいかプランを見直す必要も出てきます。

土地を継承し開業する場合の詳細な注意点やプランの見直し方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

歯科医院を土地・建物からつくる!所有の土地や購入した土地での開業…
歯科医院の開業で「土地を購入して開業したい」「実家にある土地で開業したい」という土地からの開業するメリット・デメリットについて紹介していきます。土地から開業する場合、土地建物を担保にする事ができるので、融資を受ける時に有利になる事があります。また、既に土地を所有しているかどうかによって投資コストやリスクが異なります。

歯科医院継承の方法

歯科医院継承の手続き方法

個人立クリニックの継承では様々な機関への届出が必要になります。特に、生前継承では診療所の廃止・新規開設手続きをする必要がありますが、事例によって保険診療の遡及処理が認められる制度もあり、手続きのタイミングを上手く合せると、途切れる事なく保険診療を継続する事が可能です。具体的な手続き内容・期限については以下の記事で解説しています。

歯科医院の継承に必要な手続きとは?医院継承方法と流れ
居抜きや継承については条件を満たしているかどうかが成功のポイントとなります。いい条件に出会えた場合、次は医院継承の手続きが必要になります。個人と法人で手続きが異なります。また、生前継承かどうかによっても内容が異なりますが、そその手続きについて紹介していきましょう。

歯科医院継承をスムーズにする法人化

歯科医院の事業継承をスムーズに行いたい場合には、生前に歯科医院を法人化し、譲り受ける相手を役員にしておくという手段もあります。

法人化しておけば役員を変える事で財産を引き継げますし、相続税も発生しないので、将来的な歯科医院継承を見据えて法人化を行うクリニックも最近増えてきています。

法人化は手続きが煩雑で時間もかかるので、メリット・デメリットをよく考えて採択すると良いでしょう。法人化で解決できる課題や、設立前にチェックすべきポイントを以下の記事でまとめているので、ご参考にして下さい。

歯科医院の医療法人化における業界動向とメリット・デメリット
歯科医院を法人化した方がいいのかどうか、また、法人化してうまくいくケースとそうでない場合との違いは一体何なのか・・・?開業し、経営を考える立場になると悩みは尽きませんよね。そこで、歯科医院を医療法人にするメリットとデメリットについてまとめました。

歯科医院継承者が見つからない場合

家族などを始めとした継承者が見つからない場合は、売却・譲渡や、閉院といった選択肢についても検討する必要が出てきます。それぞれ、以下で詳しく解説しています。

歯科医院の売却でセカンドキャリアを成功させるための5つの注意点
引退後のセカンドキャリア構想と資金準備は重要な課題ですが、歯科医院の閉院手続きには費用がかかるので、スムーズに継承または売却する事で、できる限り資金化する事が理想的なプランになります。歯科医院の売却で成功するための重要なポイントをご紹介していきます。
歯科医院の売却や譲渡の流れとポイント【売却側】
年齢や体調、事業縮小のための分院売却、計画的な譲渡など、歯科医院の譲渡・売却には様々な理由はあるかと思いますが、今回は売手側の歯科医院の売却や譲渡のポイントをテーマにお話しいたします。歯科医院の譲渡・売却の流れ 分かりやすい資料を用意して譲渡金額を決める、どうやって譲渡先の相手を探すか、テナントのオーナーに譲渡を承諾してもらう
歯科医院を閉院することになった時の手続き方法
年齢や体調、経営状況など様々な理由により歯科医院の閉院をせざるを得なくなった際には、開設時と同様に歯科医院の届出を提出する必要があります。一言で閉院といっても、閉院までには様々な道のりがあります。①スタッフへ対応②患者さん対応③機材や材料などの整理④閉院届のテーマに分けて解説します。

さらに、歯科開業支援コンサルティングを行っているインサイトでは、歯科医院の売却(M&A)の支援実績もございます。お気軽にご相談ください。

歯科経営が順調な今だからこそ、選べるM&A・事業承継という未来

歯科医院の資産と『成功』を正当な価値で次世代へ。

歯科医院の継承の考え方や注意点についてご案内しました。

歯科開業支援コンサルティングを行っているインサイトでは、新規歯科開業のご支援はもちろんの事、歯科医院継承の支援実績もございます。自分の場合はどうしたら良いのか、お悩みの事がありましたら、下記フォームよりお問合せ下さい。

居抜き・医院継承に関連したコンテンツ
タイトルとURLをコピーしました