歯科経営管理

収入を逃しているかも!?歯科医院でよくある4つの返戻事例とその対策【2018年度版】

歯科医院でよくある4つの返戻事例とその対策
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診療スタイルにもよりますが、歯科の収入のほとんどは、診療報酬によって成り立っています。診療報酬を得るために毎月どの歯科医院でも保険請求を行いますが、時勢に応じて審査内容の傾向が変わることがあります。

これを把握しておかなければ、当月の収入を逃す事になりますし、スタッフは再請求の処理に追われてしまいます。再請求の処理が当月内に間に合わない場合、その分の報酬が当月中に得られなくなるのでクリニックの規模によっては致命的なダメージになる事もあるでしょう。

そのような不安を回避する為にも、保険診療の請求で今何が求められているのかを把握しておくといいでしょう。

歯科医院のキャッシュに関する解説については、別記事で紹介しています。

歯科医院でよくある返戻自衛と対策

それでは、早速よく伺う事例とその対策ついてご紹介していきます。

初診算定をとるスパンが適切でない

皆さん、初診算定は前回の治療から3ヵ月開いた場合に起こすことができるという認識でいると思います。もちろんそれは間違いでないのですが、実はここ半年ほど3ヵ月以上空いていても初診算定を取れない案件が多く見受けられるようになりました。

問題は、再初診と判断できるかどうかという点です。

患者さんの症状が歯周病だった場合、治療を途中で中断し、半年後にまた来院して歯周病の治療を始めたとしても継続すべき案件と見なされ、再初診でレセプトを出すと返戻になるなどといったケースがよくあります。歯周病の場合は再診として扱うか、または患者さんの症状によってはSPTで継続的な治療として扱った方が良い場合もあるので注意しましょう。

特定疾患に対応した場合の加算請求が認められない

たとえば糖尿病の患者さんが来院された際にいつも血圧や酸素飽和度を計測しているなど、医療管理の為のモニタリングを行うと「歯科治療時医療管理料(45点)」または「在宅患者歯科治療時医療管理料(45点)」などの加算が得られます。(平成30年4月診療報酬改定時点)

この請求の為には処置ごとにレセプトの摘要欄に管理対象となる対象疾患の病名を記載する必要がありますが、それが漏れてしまい返戻になるケースがよく見受けられます。摘要欄記載事項について改めて注意しましょう。

下顎6番のCAD/CAM冠の摘要欄記載漏れ

自費が主流だったCAD/CAM冠も、近頃は保険でも扱えるように流れが変わってきていますが、2017年12月1日より下顎6番も金属アレルギー外でも保険適用となりました。

しかし、この保険請求では厚生労働省通知保医発1130第1号「「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」等の一部改正について」で「上下顎両側の第二大臼歯が全て残存し、左右の咬合支持がある患者に対し、過度な咬合圧が加わらない場合等において下顎第一大臼歯に使用する場合」とある通り、7番が上下4本とも残存し、しっかり咬合できている事が条件になります。

レセプトの記載についてまでは言及されていませんが、実際には7番の残存と咬合の具合についてレセプトの摘要欄に記載していないと返戻になる事例が増えています。患者さんの需要も高まり件数も増えつつある処置内容なので、しっかり記載し対応しましょう。

マウスピース製作方法の記載漏れ

歯ぎしり治療の際、マウスピース(口腔内装置)を作るのに製作物の構成材料を明記せず返戻を受けるケースが見受けられます。

たとえば、義歯床用アクリリック樹脂を使い口腔内装置を製作した場合は保険診療「口腔内装置1(1500点)」(※平成30年4月診療報酬改定時点)の対象になりますが、材料を記載していなければ請求に不備ありと見なされ返戻になってしまいます。こちらも記載要領に書かれていない事項なので注意しましょう。

いかがでしたでしょうか?

記載要領にはない事項もいくつかあり、特に開業したての頃には中々気付けない点もあったのではないかと思います。また、各種加算事項については届出・施設基準をクリアしている事が最低条件になるので、所定の手続きを踏んだ上で行って下さい。

今回は、歯科医院でよくある4つの返戻事例を紹介しました。開業後によくある保険請求3つのトラブルなどについても、別の記事で紹介していますので、併せてご覧ください。

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