歯科医院経営講座⇒悪質クレーマーの患者がきたら?


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○院長、こんなときどうしますか?⇒悪質クレーマーの患者がきたら

<ケース>
開業2年目で、ようやく経営が安定してきたインサイト歯科クリニック。ある日、いかにも怖そうな感じの患者さんが来院しました。

問診表を記入してもらうと、「今日は保険証を持ってくるのを忘れた」とのこと。「それでは、保険証をお持ちくださるまで10割負担になりますが、よろしいですか?」と説明し、治療に入りました。

口腔内の検査を終え、主訴の虫歯に手をつけて1日目は終わりました。

しかし翌日に突然「おたくで治療してもらった者だが、痛い歯ではないところを削られた、どうしてくれるのか?」「誠意をみせろ!」という電話が歯科医院にかかってきました。

さて、院長はどう対応したら良いのでしょうか?

○悪質クレーマーの対応方法

悪質クレーマーの歯科医院来院

歯科医師は、患者の治療を拒否することはできません。こちらのケースでは問診表やデンタルをチェックした結果、医院側はきちんと主訴の部位を治療しています。つまり、明らかに金品目当ての嫌がらせを仕掛けられていると言えます。しかし、上記の時点では「いくら払え」とは言っていませんから、脅迫にはあたりません。

こういった場合には、最初に患者さんの苦情を全て聞きくことからはじめるわけですが、明らかに不自然だと感じた場合には、次の要領にしたがって行動すると良いでしょう。

1.その場でスタッフが勝手に質問に答えたり、回答をしないようにスタッフ教育をしておく
2.電話では、院長からあらためて電話するからと伝え、スタッフは手短に電話を切る
3.院長があらためて電話する際に、苦情を言っている人が本人であるかを確認する
4.患者さんの苦情内容を録音、メモする(この時、同調も反論もしない)
5.明らかに、言いがかりの場合、診療内容の話には触れず、個人的な折衝を打ち切る
6.弁護士に相談すると共に警察へ通報し、第三者を入れた解決方法をとる

こういった場合、先方はお金目当てのプロですから、大声を出したり、凄んだりしてこちらの感情に揺さぶりをかけてきます。相手の凄みに負けてしまって、金銭的な話をするのは相手の手の内に入ってしまうことになるので、絶対に避けましょう。

たとえば「うちは、保険に入っているから補償しますよ」とか「納得がいかないなら、治療代を返却しますよ」などと絶対に言わないようにします。金銭の話をするということは、こちらに過失があったと認めてしまうようなもの。恐怖感をカネで解決しない勇気が撃退のカギになります。

あくまでも、毅然とした態度で最後まで悪質クレーマーの話を真摯に聞き、慌てないで対応しましょう。

また、上記の流れで一番難しいのは、4 の苦情のヒアンングです。
金品を目的とする悪質な患者さんの常套句は「誠意を見せろ」と必ず、言ってきます。「恐喝」になっては困るので彼らは自分から「カネを出せ」とは言いません。なので「誠意とは何でしょうか」と質問し続ければ良いのです。

逆に言えば彼らは、早くカネで済ませてしまいたいという弱腰な院長を狙ってきますので、標的にされないための知恵として覚えておくとよいでしょう。

また、初めてこういう状況に遭遇したスタッフは情緒不安定になり、その後の就業に影響が出る場合があるので、事前にみんなでロールプレイングを行い、慣れておくようにしておいてください。