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開業時に考えよう!カルテ棚はどうする?歯科のカルテ棚の種類や大きさの考え方

歯科のカルテ棚はどんなものがある?
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歯科医院の内装を考える時は、院内の動線だけでなく、患者さんが過ごしやすく、スタッフが働きやすい使い勝手についても考える事が大切ですが、他にも様々なことを考慮しなければなりません。

今回は、歯科医院に設置するカルテ棚に焦点を当ててお話しします。

近年、カルテも電子化が進みこれから開業される先生方の多くは電子カルテ(歯科用レセプトシステム)を導入されています。電子カルテの場合、カルテ棚は不要なので、スペースを別のことに有効活用ができます。

電子カルテについては別の記事で紹介していますのでそちらをご覧ください。

歯科のカルテ棚はどこに配置したらいい??

カルテ棚は受付スタッフが使いやすいように受付の後ろや横に配置するのが一般的です。受付で時間がかかると診療への案内がもたつき、時間が押して患者さんに負担をかけてしまうことにもなりかねないので、どのように配置すればスタッフが効率的に動けるかを考えた上で配置を決めましょう。

カルテは患者さんの個人情報なので、個人情報保護の観点からほかの患者さんの目につきにくいようにする配慮も必要です。自治体によってはカルテの収納は施錠できる扉付きの棚にするように指示される場合もあるので、カルテ棚についても歯科開業の内装平面図ができた時点で必ず管轄の保健所に相談しておくようにしましょう。

また保健所から指導がない場合でも、受付内のカルテ棚には扉や仕切りをつけるなどしてカルテが患者さんから簡単に見えてしまわないよう配慮し、対策を考えておくのが良いでしょう。

歯科医院で使うカルテ棚はどんなものがある?

一般に流通しているカルテ棚を見ると、種類がいろいろあることがわかります。形状や素材、価格もそれぞれ違い、どれを選べばいいのか迷ってしまいますね。

扉については、オープンタイプか扉付きかの二種類を選ぶことができます。

オープンタイプはカルテが取りだしやすく、受付や会計業務がスムーズに進むでしょう。

一方、扉付きタイプはカルテの出し入れで扉の開閉が必要なのですこし手間がかかりますが、そのぶん患者さんの目に触れにくくなるので、情報漏洩防止の役に立つでしょう。扉がシャッターや鍵付きのモノもあり、防犯対策をさらに強化することもできます。

カルテの収納の向きは、縦置き・横置き・平置きの3タイプがあります。

縦置き・横置きはたくさんのカルテを収納する事ができ、インデックスや仕切りの工夫次第で効率的なカルテ管理ができるようになるでしょう。しかし、薄いカルテをそのまま入ると紙面が曲がったり折れたりするので、頑丈なフォルダーに入れるなどの心配りが要ります。

平置きは棚の仕切板がインデックス替わりになるので取り出す位置が分かりやすく、構造上折曲しにくいので、カルテをきれいなまま管理しやすくなります。しかし、仕切板の厚みでスペースを使うので、縦・横置きほど大量のカルテ管理に向いているとはいえないでしょう。

最後に既製品と作り付けどちらがいいかについてですが、作り付けの場合は素材やデザイン・機能を自由に選べるので、院内インテリアに溶け込み、かつ、温かみと機能もあわせもった家具に仕上げることができます。

ただし、費用はデザイン・素材・製作それぞれ作業が必要になるので、それなりの金額になります。この点は、大量生産販売の既製品の方がおそらく安価で済むでしょう。

既製品は高さや幅、素材が画一的な規格の基に製造されているので、受付のスペースに多少の隙間が生まれたり、色や素材が院内インテリアの中で浮いてしまったりすることがあります。

ほかにも、上段はカルテ収納で下段は備品収納になっている棚などもあります。これなら下方にあるカルテを取り出すのにかがむ必要がないので、スタッフの負担も軽減できますよね。また、同じ幅に対し1.5倍の収納力を持つ前面・後面使用可能なスライド式の棚などもあります。

どのタイプにも良し悪しがあるので、それぞれのメリット・デメリットを考え、自分の医院にあうモノを選びましょう。また、繰り返しになりますが、自治体により仕様が決められている場合もあるので、必ず管轄の保健所に基準を確認した上で選択しましょう。

歯科医院のカルテ棚はどれくらい用意すればいいの?

最初にどのくらいの棚を用意すればいいかは診療スタイルや環境にもよりますが、単純に棚の容積から考えると、1カルテの厚みを3mm程度とした場合、幅80cm×高さ200cmの棚に縦置きでだいたい1400枚程度のカルテを収納することが可能(※)です。

歯科開業時で必要な設備リスト」でも簡単に触れていますがカルテの保管期限は5年と医師法で定められているので、これを考え合わせると、先ほどの棚条件であれば「年間の目標新患数×5年÷1400」(※)で必要な棚数が暫定的にわかります。

【例】
仮に年間の目標新患数を650と定め開業しようと考えたA先生の場合
650×5÷1400=2.321..

上記からA先生は幅80cm×高さ200cmの棚を3台設置出来る設計が必要という事になります。

※棚の内寸やデザイン、患者さん一人あたりのカルテの量にもよるので、あくまで参考値としてお考え下さい。年間の新患数は歯科医院経営の目標値になるので、作成した歯科開業の事業計画と照らし合わせてお考え下さい。

たくさんの患者さんが来院してくれればその分カルテ棚が足りなくなることもあります。元々カルテ棚の容量を小さめに見積もっていたり、うまく整理が出来ていなかったという理由でない限り、これは嬉しい悲鳴でもありますね。

もし足りなくなってしまった場合には追加でキャビネットを購入したり、古いカルテは受付から移動させて移動式のラックに収納するなどの方法もあります。

いずれにせよ、受付は歯科医院のフロントです。患者さんが受付を見て医院の印象を決める場合もあるので、受付付近のカルテ管理は常に整理整頓を心がけましょう。

歯科のカルテ棚について解説でした。

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