歯科経営管理

歯科医院における歯科医師・スタッフ人事評価!人事評価の方法と制度の考え方とは?

人事評価の方法と制度の考え方
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多くの先生がお悩みを抱えていらっしゃる歯科医院のマネジメント。スタッフのモチベーションを高める手法の一つとしては、人事評価制度をしっかりと設けることが大切です。

一般的に、歯科医院の場合スタッフが3名~4名と小規模の限られた人員で運営されているので、この人事評価が、おざなりにされている例が多く見受けられます。たしかに、3~4人で運営している組織に細かな評価はいらないようにみえるかもしれませんが、このことがしっかりしていないために、スタッフが定着しないばかりか、スタッフが急に全員辞めてしまい、医院の存続に影響しかねない事態を引き起こさないともかぎりません。

そこで、今回はこの人事評価について考えてみましょう。

人事ランクと報酬を明文化しよう!

人事評価制度を作り上げるには、どのようにすればいいのでしょうか?ここで重要なのが、職能のランクキング化とその明文化です。

まず、人事評価は、医院の目標(月単位、年単位)を達成するために、各スタッフにどのような目標を与え、それをどのように達成していったかを管理することによって、評価する仕組みになります。

もちろん、前提して医院の目標がしっかりと定められていなければなりませんが、例えば受付を担当するスタッフに今年の目標として、現状5%発生している「無断キャンセル率」を下げようという課題に取り組ませる場合に、漠然と「キャンセル率をさげてね」と依頼するのではなく、いつまでにどれくらいまで「無断キャンセル率」を下げるのかを、計画的に目標を与えるやり方をします。

具体的には、3ケ月後にまでに3%、1年後までに4%下げるという目標を与えるわけです。さらに、この課題をクリアすることによって、クリアしたスタッフに何がもたらされるのか?も明確に決めることが重要です。

人事評価制度を構築するポイント

人事評価制度を構築する上でのポイントは以下のようになります。

(1)職位のランキングを設定する

医院で、よく見かけるのは「スタッフ」「主任」「チーフ」といった役職です。この役職は、いったいなんでしょうか?この場合の役職とは、院内の職務上の地位を表しているか、職能(職務上の能力、スキル)を表しているのかよくわからないケースがあります。

そこで、職位と職能を同質化してこの職位のある人は、これだけの職能(スキル)を保有していることが前提であると決めていきます。

そして、職位も詳細に区分し、スタッフは4級~1級、管理職も「主任」「チーフ」「マネージャー」のように全部で7段階にランキングします。

(2)各ランクに求められるスキルを明文化する

これまで、歯科医院で行われていた評価の大きな問題点は、評価する人が院長だけであり、かつ明確な評価基準がないために「院長の好き嫌い」によって、評価が変わるという点にあります。これでは、評価される側のスタッフもたまったものではありません。そこで、上記の7段階のランクに応じ、スキルを明文化するようにします。

つまり、スタッフ2級が、治療準備、アシスト業務が完全に任せられる状態であることを職能(スキル)とするならば、詳細に業務内容と業務チェック項目を明文化して何ができて、何ができていないのかを誰が見てもわかるようにします。ランクの明文化は、自分がどれくらいできているのか、ということが評価できると同時に、院長が評価するのではなく「主任」などの役職者が評価をすることが出来るようになるわけです。

そのような基準が明確化されていなければ、役職者はスタッフを主観でしか評価することができませんし、指導をすることも難しくなります。なぜなら、言われたほうも「そのような評価はあなただけで、好き嫌いで判断している」と思いかねないからです。

役職者は自分が嫌われるのは嫌なものです。「これは私の考えではなく、医院の基準だから」と言えるだけの明確な基準を作らないと、スタッフにスタッフ教育を任せることは難しくなります。

また、スタッフは医院の目標を個人的にもって現在の仕事をしているわけではありません。したがって、スタッフのランクを細かく区切ることで「半年後の目標」「3ヵ月後の目標」というのを自分で持たせるのではなく、こちらから明示してあげます。そうすると、スタッフは目の前の明確な目標に向かって、走り出すことが出きるようになり、さらにはどのように改善していったらよいかという手法も考えるようになっていきます。

(3)報酬を明確化する

スタッフがどのランクにいて、医院の収入がどれくらいになったら、スタッフの年収はこれくらい、というのを明確化してあげることです。

それにより、スタッフは「頑張れば、収入が増えるんだ」と感じ、頑張ることが出来ます。ポイントは、医院の業績が良くなればスタッフ給与も良くなる、医院業績が悪くなればスタッフ給与も悪くなるという業績連動をするために、医院の簡易損益計算書をスタッフに開示するということが重要になります。

せっかく、評価制度ができてもその原資となるものがないのでは、医院の経営は悪化する一方ですし、かといってその原資が院長個人の采配でどうでもなるのでは、スタッフは頑張りようがありません。ですから、6ケ月に1回は自分が勤めている医院の業績がどうなっているのかを、包み隠さずオープンにしていく勇気が必要です。

評価の方法についての概略を説明しましたが、無料のテンプレートなども多く見かけますので、先生の医院に合わせてカスタマイズを行い導入してみてもいいかもしれません。

ご自身の医院で抱えている人材や労務関係については、お付き合いのある所にご相談頂くのがスムーズでしょう。

しかし、場合によっては、労務関係は対応していないという税理士の方や、税理士事務所もございますので「相談にてみても、対応してもらえない。別の所を探したい」というような場合、労務対応も行ってもらえる税理士事務所を当社からご紹介させて頂くことも可能ですので、ご相談ください。

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