徹底解説!歯科業界の動向、10年後の未来とは


歯科開業の現状と将来予測まとめ

これまで連載していた「歯科新規開業を取り巻く環境と将来の予測」の総括を紹介します。歯科開業の全体については「歯科開業について」をご覧ください。

歯科開業を取り巻く環境と現状

歯科開業を取り巻く環境がどのようになっていくのかを考えるには、まず現状をよく知ることが大切です。

開業件数と開業地

歯科医院の新規開業件数は2005年を境に毎年減少しており、2005年と2013年を比較すると800件以上開業件数が減少。中でも都市での開業が集中し、特定地域では医院が減少するという偏りが見受けられる。開業場所を慣れ親しんだ場所で決めようとする従来の姿勢が大きく影響。どこで開業しても集患できる競合が少ない時代とは違い、多角的なマーケティングをもとに開業場所を決めることが重要。

→詳細:歯科開業を取り巻く環境「開業件数と開業地」

歯科医療の需要と供給

人口が減り歯科医院数は増える傾向は2020年まで続くと予想される。近年は歯科医療費の増加率が歯科医師の増加率を下回り、歯科医療自体が供給過多になり始め、その格差は拡大の傾向にある。より一層の努力をしないとの経営が厳しくなるが、すべての歯科医院の経営が苦しいわけではなく、経営成績の良い医院と悪化している医院とに二分化が進んでいるのが実態。

→詳細:歯科新規開業を取り巻く環境「歯科医療の需要と供給」

歯科医師と開業の高齢化

日本では国の政策により1970年代から歯科医師が増え、現在その団塊の世代を中心に高齢化が進んでいる。一方、新規開業をする歯科医師の年齢も上昇しており、従来は多かった30代で開業している割合も、1994年と2014年を比較してみると、30歳~34歳は7割以上・35歳~39歳は5割以上も減少している。理由は、開業マインドの変化、資金準備不足、開業場所の減少であると考えられる。

→詳細:歯科新規開業を取り巻く環境「歯科医師と歯科開業の高齢化」

30年後の人口予測と歯科業界

今後の歯科業界がどのように変化していくのか、30年後の日本の人口を予測すると、概算5人に1人がいなくなる計算になる。この内15歳~64歳の生産年齢が2,329万人と30%も減少し、年少人口はそれ以上に減少。老年人口は逆に増える傾向。この推移予測は、これから開業をしようとする歯科医師の未来にいくつかの示唆を与えている。

→詳細:歯科新規開業を取り巻く環境「30年後の人口予測と歯科業界」

30年後の人口予測から推測される未来予測

ここから先は、30年後の人口予測から推測される未来予測についての章になります。歯科開業における業界未来予測を簡単にまとめると次の通りです。

歯科開業における業界予測まとめ

サービスと大規模化:サービス業的な側面の増加、医院の大規模化
自己負担金と自費診療:自己負担金の引き上げ、自費診療枠の拡大
年代別サービスと国際化:アクティブシニア増加、小児歯科自費化、歯科医療アジア進出

サービスと大規模化

サービス業的側面の増加

1970年と2045年の人口はほぼ同じであるが、歯科医師数は約2.5倍になると試算できる。厳しい経営状況になるのは必定。歯科医院は患者確保にサービスを技術だけではなく、患者ケアやロイヤリティ管理、コンビニエント性の向上など、診療以外へのコストや労力をかけていく必要がある。

歯科医院の大規模化

診療以外のサービスに多くのコストをかけるとなると、コストを抑えるために設備や人材の共有化するメリットを見越し、大規模な診療所が増えると推測できる。実際に、ある程度の規模があったほうが経営効率も良く、スタッフの質の水準も保ちやすくなる。

→詳細:歯科新規開業の将来予測「サービスと大規模化」

自己負担金と自費診療

自己負担金の引き上げ

生産年齢人口が全人口の半分まで低下してしまうと、保険診療にも大きな改革が必要になる。海外先進国の事例を見て予想される通り、少なくとも、自己負担金が5~7割程度に引き上げらや、混合診療が全面的に解禁されたりする可能性が高い。

自費診療枠の拡大

混合診療のほか、今後は予防インセンティブ制の導入、補綴など高額自費診療の増加による民間保険の普及が進む可能性も考えられる。混合診療拡大と保険診療枠の縮小による自費診療への移行が起こった場合、患者が今まで以上に歯科医院を吟味して選択するようになる。クレームや訴訟が増えることが予想されるので、開業時から対応を考えておく必要がある。

→詳細:歯科新規開業の将来予測「自己負担金と自費診療」

患者年代別サービスと国際化

アクティブシニアの増加

アクティブシニア層が高齢者全体に占める割合は、将来的に4~5割まで伸びる可能性がある。この結果、健康重視で口腔内関心が高い老年層が新たなマーケットとして出現し、介護保険を中心とした従来の高齢者向け診療は大きな転換を迎えると推測できる。

小児歯科の自費化

年少人口は減少すると予想される。政府はさらに子育て環境に力を入れ、年少者への保護もより手厚くなる。多くの子供がキッズ倶楽部などに加入し、親御さんが自費診療を前提とした予防・齲蝕処置の教育を受けることで、小児歯科が自費化していく可能性がある。

歯科医療のアジア進出

アジアに目を向けると人口は拡大していく傾向にある。ASEAN各国の歯科医師に関する制度の整備が進めば、新たな歯科医療マーケットが国際的に解放される。日本が国際レベルの歯科医療を確立していけば、日本人歯科医師がASEAN諸国で歯科医業に従事する将来も、充分考えられる。

→詳細:歯科新規開業の将来予測「年代別サービスと国際化」

以上です。

シリーズ全体を続けて読まれたい方はこちら⇒歯科新規開業を取り巻く環境と将来の予測

これからご開業をお考えの方の手助けになれば幸いです。

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