歯科医院経営講座⇒自己負担金をサービスしたら?


歯科医院の経営・マネイジメントの事例を交えたケーススタディを紹介します。歯科医院経営事例シリーズをまとめて読みたい方はタグの「歯科医院経営講座」をクリックしてください。
○院長、こんなときどうしますか?~ 自己負担金をサービスしたら ~

<ケース>
歯科医院を開業したばかりのA先生は、開業の件でなにかとお世話になった友人が「治療をして欲しい」というので、治療をしてあげました。その際に窓口負担金に相当する金額をお世話になったからという理由で、サービスしました。また、別の日にスタッフが歯が痛むというので、診たら知覚過敏を起こしていたので、やはり同じように窓口負担金をもらいませんでした。

このように、親戚やスタッフに対し、保険診療の一部負担金をもらわなかった場合にどのようにしたら良いのでしょうか?

○自己負担金のサービス

自己負担金のサービス

健康保険法の第 74 条の第 2 項に「保険医療機関又は保険薬局は、前項の一部負担金の支払を受けるべきものとし」とあるので、原則的には一部負担金をサービスすることはできません。

しかしながら、家族や親戚、友人などの場合はもらわないことも多いと思います。

実務的には、税務上の取り扱いの違いと理解したほうが良いでしょう。税務上の取り扱いは、大きく分けて収入の計上有無と、サービス分の取り扱いに分けることができます。

1.本人・家族の場合は、収入そのものを計上しなくても差し支えない

2.従業員の場合は、窓口負担金相当額は収入計上をし、サービス分の未収金を決算で、期末に福利厚生費として処理する。(給与の現物支給として扱う方法もある)

3.取引業者の場合は、同様に収入計上し、サービス分の未収金を交際費として処理する

4.友人等の場合は、同様に収入計上し、サービス分の未収金は事業主貸勘定で処理する

また、一般の患者さんが本来払うべき一部負担金を払ってもらえず、未収になってしまった場合には、貸し倒れ処理することになります。

一方、自費診療の場合は、

1.家族・友人・知人の場合は、最低原価 (治療材料費や技工代)は収入計上し、未収金分は事業主勘定で処理する
2.従業員の場合は、最低原価は収入計上し、未収金分を給与として処理する

のが一般的です。

いずれにしても、サービス分を正しく経理処理していないと、税務調査の際に否認されるので注意が必要です。