歯科医院設備・環境

開業時の歯科医療機器は購入とリースどちらが良いのか?メリット・デメリット

歯科開業時の医療機器は購入とリースどちらが適切か?
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歯科医院の開業を進めていき、いよいよ歯科医療機器の選定!そうなった時に「機材は購入とリースどちらがいいのか?」というようなご質問を頂くことが往々にしてあります。

どちらがいいのかについては、その時の資金状況や事業計画によっても異なってきますが、対応を誤るとキャッシュのやりくりがとても大変になるので、慎重に決める必要がありますね。

それでは、それぞれのメリット・デメリットについてみていきましょう。

歯科器材を購入する場合のメリット・デメリット

歯科器材を購入した場合、追加費用の発生がないという点が一番のメリットです。

修理やメンテナンスは別として、契約した時点の金額での売買になるので、それ以上の金額は請求されません。開業時に資金の借り入れをしていて、そのお金で機材の支払を行うのであれば、借り入れ先への返済金利がそこに上乗せになります。しかし、大体が10~15年程度の長期返済になるので、リースほど短期で高い金額の返済を求められる事はほとんどないでしょう。

その一方、短期で入替が必要な機材については買い替え金額が都度必要になるので、キャッシュフローがなかなかシビアになります。どちらかというと、長く使う機材に向いた買い方とも言えるので、入替の必要性をよく考えてから購入すべき機材かどうかを検討しましょう。

また、購入した機材の所有権は自分にあり、会計上「財産」として扱う必要があります。固定資産税や保険の手続きや支払が生じることにも留意しましょう。

会計上の特性についてもう一つ、購入時のキャッシュのやり取りは一括で終了しますが、多額の購入費用を開業初年度に全て計上してしまうと利益がないのに支払だけがかさんでしまい、大赤字の会計報告になってしまいます。

このため、減価償却という手法を使い徐々に資産を経費にしていくのが一般的です。

歯科医療機器や設備の耐用年数解説」でも簡単に触れていますが、減価償却を利用すると機器の耐用年数で資産(機材の購入費用)を按分し経費計上していくので租税効果が見込めますが、反面、キャッシュフローの管理が煩雑になります。

歯科器材をリースにする場合のメリット・デメリット

リースのメリットは、購入時に発生する事務手続きや経理的処理が必要ない点にあります。償却資産税や損害保険料などについてはリース会社が負担してくれますし、固定資産税の申告といった事務手続きも自分でやらなくて済みます。また、月々支払った分が経費になるので、購入と比べると事務処理は大分楽になるでしょう。

リース期間を終えればその時点で新しい設備リースを検討する事もできます。特に、CTやレセコン、電子カルテなどに関しては数年レベルで性能が向上する傾向があるので、リース満了でより高性能な機材導入を検討するのが診療面でも経理面でも効率的ということができます。

ただし、購入と比べるとリース満了後には切り替え・再リースとも追加の費用が発生します。また、所有権が自分に無いので、売却や譲渡などはできません。(所有権移転リースの場合は除く)

リースはレンタルとは違うので中途解約ができず、フルペイルアウト(※)が基本の取引になるので、その機器をどの位の間使うのか、支払い終了後の所有をどうすべきか、買い替えの方法や時期はどうするのか、などを十分吟味した上で、適切な支払方法をご検討下さい。

※フルペイルアウトについては、下記で用語解説しています。

もう一つ、リースでは特別償却や税額控除を受ける事ができません。

全体の経営バランスも考えて、機材導入の支払い方法についてはあまり頑なにならず、状況に応じた柔軟な対応をするように心がけましょう。

※実際の現場では、契約ごとに細かい契約内容が取り決められています。こちらで話した返済や支払年数については、あくまで参考としてお考えください。

こうした経営のバランスを考えるには、開業前から事業計画について念入りに検討しておく必要があります。インサイトのセミナーでは、資金調達の現場から見る事業計画の立て方についてもレクチャーしています。

自己資金などの状況をふまえた具体的な事業計画の作成については、個別にご相談も可能です。ご相談など、お気軽にお問合せ下さい。

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