歯科開業全般

歯科の廃院・廃業に追い込まれる3つのパターンから学ぶ!失敗しない開業

歯科医院の廃業
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しっかりと資金を貯めて、歯科医院を開業したら、絶対に経営を軌道にのせ成功させたいものです。誰しもが失敗しようと思って開業は行わないでしょう。

しかし実際は、安定的な歯科医院経営を続けていくことは、そう簡単なことではないのが現実です。

厚生労働省の医療施設調査によると、平成24年の歯科診療所の施設数は68,474件、平成25年は68,701件となっており、歯科診療所は227件も増えたことがわかります。ただし、同じく「施設の種類別にみた施設数の動態状態」によると、新たに開設した歯科診療所が1,707件、再開したのが65件、廃止した歯科診療所が1,405件、休止したのが140件となっています。

つまり単純に数が増えたのではなく、廃止や休止した歯科診療所が、平成24年10月~平成25年9月の1年間に1,500件もあるということなのです。(平成25年 厚生労働省の医療施設(動態)調査・病院報告の概況

このように厳しい状況の中、これから開業を考えている方は不安な方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、歯科医院が廃院・廃業に追い込まれるパターンから学べることは何なのか?今回はその廃業パターンについて考察していきたいと思います。

また、歯科業界がどのように変化していくのか?開業件数や開業地、人口推移などから推測される業界の未来予測などについては別記事で解説していますので、そちらも合わせてご覧ください。

医院が廃院・廃業に追い込まれる3つのパターン

歯科医院が廃院に追い込まれる理由としては、さまざまな要因が重なって廃業になることがほとんどですが、大きなパターンとしては次があげられます。

1.開業場所、立地選定を見誤った
2.開業資金投資額が大きすぎた
3.腕さえよければ成功できるという甘い考え

それでは、廃業のパターンの細かい理由を探っていきましょう。

開業場所、立地選定を見誤った

まず、立地や物件を考える際の「潜在患者数」の調査が間違っていたことが考えられます。

潜在患者数は「人口が多ければ多くなる」「住宅が多ければ多くなる」という単純なものではありません。「潜在患者数」の調査は簡単なことではありませんが、ここを軽くみてしまうと歯科医院開業後の集患に大きく影響がでることになり、廃院につながってしまう可能性が非常に高くなります。

開業地の選定方法や潜在患者の調査方法については、別記事で紹介しています。

開業資金投資額が大きすぎた

せっかく自分の歯科医院をもつのだから、「外装も内装も思い通りのものにしたい」「最新式の機器を導入したい」などの想いをもつことでしょう。

しかし設備投資には莫大な費用がかかるので自己資金だけでは足りないのが現実です。設備投資額が大きすぎたせいで、運転資金等の月々の支払いが苦しくなり廃院に追い込まれるということがあるということも、知っておきましょう。

そうならないためにも、開業前からしっかりと事業計画をたてておくことが大切です。

腕さえよければ成功できるという考え

まさかと思われるかもしれませんが、残念ながら歯科医院の経営がうまくいくかいかないかは「結局は歯科医師の治療の腕」と思っている先生もいらっしゃいます。

「腕には自信があるから、一度治療にきてもらえればわかるはず。居抜き物件を手に入れ、開業コストを最小限に抑えれば、成功間違いなし!」と、お考えでしたら問題です。

もちろん患者さんに医院を選んでもらうには、先生ご自身の治療の腕もポイントとはなります。

しかし「腕がよい」かどうかを判断するのは、歯科医師ではなく患者さんであるということ、患者さんが思う「腕がよい」と歯科医師が思う「腕がよい」では、考えや感覚には大きな違いがある事を念頭に置かれてください。

廃業に追い込まれる3つのパターンから学ぶこと

廃業に追い込まれる主な3つのパターンをご紹介しましたが、実際には「どれかひとつだけが欠けたせいで廃業に追い込まれる」というわけではありません。

ひとつひとつは小さな原因でも、それが重なって廃業という結果を生んでしまったという場合もあります。

歯科医院の開業では、設備費がどうしてもかかるため、借入を行い大きなリスクを背負うこととなります。

そのうえで廃業してしまう医院のパターンから学べることがあるとすれば、やはり開業する前から物件・資金・集患の専門的な知識を上手く活用し、しっかりとした計画をたてる事が大切です。

歯科医師としての技術を磨くことはご自身の得意分野だと思いますが、患者さんを呼べる場所に歯科医院を作ればよいということがわかっていても、どの場所が患者さんを呼べるのかを把握するのは難しいことです。

その点をクリアにするには、自分ご自身で経営の勉強をすることももちろん大切ですが、その足掛かりとして、専門家の力を借りてみてはいかがでしょうか?

歯科開業コンサルティングを行っているインサイトでは、セミナーや個別のご相談などで開業前に、安定的な経営が出来る為の開業のポイントや注意点をお伝えしています。大きなリスクを背負って開業する歯科医院の経営を軌道にのせるためには「経営のプロの力を借りる」ということもご検討いただければと思います。

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