歯科医院の広告・集患

歯科医院の広告費用対効果の考え方!広告を出す前に抑えておくべき3つの事

歯科の広告費用対効果
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歯科医院でも広告を打ち出している医院がほとんどかと思いますが、かけた広告費用にどれほどの効果が出ているのかを調べている医院は多くはないでしょう。

チラシのみならず、ホームページ、看板といった十~百万単位の高額な商品もあり、そもそも本当に必要なのかどうかさえ迷ってしまいますよね。

しかし、費用対効果の考え方さえ押さえておけば、集患の為に何にどのように投資しておく必要があるのかが見えてきます。それでは、費用対効果の考え方についてお話します。

歯科医業の実際の利益から見る費用対効果

まずは、例えと併せて、歯科経営の実利から費用対効果について考えてみましょう。

例えば車商圏などで認知力を上げる為に大きなポール看板を出そうと考え、その施工に100万円の経費がかかるとしましょう。この費用を賄うのに必要な新規患者数は一体何人になるでしょうか?

※以下は、統計を用いた平均値での算出になります。もちろん環境によって異なる場合がありますので、あくまで参考としてお考え下さい。

厚生労働省の第20回医療経済実態調査を見ると、個人開設の歯科診療所の年間収益は1施設辺り4,066万、費用が2,792万となっており、利益率は31.34%程度であると考えられます。

一方、平成27年社会医療診療行為別統計の概況によると、歯科診療所での1件辺りの診療点数は1,228点となっているので、先ほどの利益率を掛け合わせると1件辺りの利益は3,684円であることが分かります。

平成26年の患者数調査では、初診が264.3千人、再診が1099.1千人とあるので、全ての初診患者さんがリピートしてくれると考えると、およそ4.15回平均して通う計算になり、1人の新規患者さんが1年でもたらす利益は3,684円(1件の利益)×4.15回(通う回数)=15,288円と考えられます。

(参照)
医療経済実態調査
社会医療診療行為別統計
患者数調査

つまり、看板費用100万円を捻出するには100万÷15,288円(新患1人辺りの利益)=65.4人の新患が1年必要で、1か月に換算するとおよそ月5~6人の新規患者が来院してくれれば費用対効果が出たと判断することができます。

また、看板は1度出せば何年も効果を発揮する耐用年数に優れた広告になります。看板を出した効果で、仮に月5人の新患来院を維持できれば、年間で110万円、5年で550万円と利益が累積していくのです。

5~10年も経つ頃には歯科ユニットの増設や耐用年数に合わせた歯科機材のリプレースなども検討していかなければならないので、利益増は必要課題になります。

このような時、広告効果が課題解消の一つの手助けになる事もあるでしょう。

指標を用いた費用対効果の考え方

費用対効果とは、かけた費用に対してどれくらいの効果(成果)があるかを言いますが、実際の効果を測定するには、下記の様な指標を用いるのが適切です。

・ROI(Return On Investment)

かけた費用に対してどれだけの利益が得られたのかを図る指標で、値が高いほど利益率の高い、有益な投資と考えられる

計算式:{(売上-売上原価)-投資コスト}÷投資コスト✕100 (%)

・ROAS(Return On Advertising Spend)

広告にかけた費用に対して、どれだけ広告経由の売上が発生したかを測る指標で、値が高いほど売上率が高いと考えられる

計算式:広告経由の売上÷広告費×100 (%)

どちらも似ている指標なので間違えてしまいがちですが、簡単に言うとROIは利益・ROASは売上を見る指標になります。

費用対効果をみるのであれば、両方を算出することが大切です。

ROASの売上が良くても、ROIで見た時に利益が低い場合、かけた費用の投資はあまり良くないと分かります。

歯科医院での費用対効果を見る為にやるべき事

ここまで費用対効果の実利面や指標の考え方について紹介しましたが、広告の効果を実際に上げる為には、まず自院がどの状態にあるのかを出来る限り数値化して把握しておかなければなりません。

最近の予約システムやWEB予約ツールなどでは、そのルートからの来院(予約)などが管理出来るようになっているものも多くあります。

しかし、チラシや看板などの計測が出来ないものも多いのが事実です。そのようなものも数値化するために、問診票に来院ルートを記載し、患者さんが何を見て来院したのかを分析する必要があります。

もちろん、実際に出していない広告などのルートを入れては意味がありません。よくあるものとしては以下のようなものが多いでしょう。

○当院に来院されたきっかけを教えてください。(当てはまるもの全てにチェックを入れてください)
□知人・家族からの紹介
□WEB検索・ホームページを見て
□看板を見て
□医院の前を見て
□その他(      )

しかし、このアンケートを記入して貰うだけでは実際の現状を把握する事につながりません。

例えば、WEBの予約システムを利用して来院された方が、問診票の記載を見てみると知人・友人の紹介となっている場合があります。

スマートフォンが普及し、誰でもすぐにインターネットで検索が出来る今日では、友人から紹介されて、WEBサイトを見てそのまま予約する…というように、来院の動機は紹介だけども、予約の手段がWEBの場合、WEBの予約システムがなければ、予約に至らなかった可能性もあります。

医院の前を通り、医院がそこにあるのは見知っていたので、電話をする為にホームページを見た場合も同様ですね。

このように、集患・広告の費用対効果を見るには、反応率のみでは判断できない場合があります。

医院への予約へ直接結びつかなくとも認知度の向上に効果が出ている場合もあるので、問診時のアンケートだけに頼らず、様々なツールを用い解析するなど、できるだけ実情を把握する様に努め、自分の医院ではどのような広告を打つのが適切なのかを検討しましょう。

今回は広告の効果について、実利、指標、状況把握の3つの観点から押さえておくべき点をご紹介しました。

「費用がかかるからいらない」「業者に出した方がいいと勧められたから、何となく導入した」などといった安易な考え方はせず、様々な方面から費用対効果を考え、広告導入を判断するのが賢明でしょう。

また、開業後の集患や広告は、開業準備から、どれだけ計画的に集患戦略を立てるかがポイントです。インサイトの開業サポートは、開業前から予約が集まる仕組みで、医院の早期安定化を目指しますので、お気軽にご相談ください。

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