歯科開業の事業計画書の作り方とポイント ~概算事業計画書を作ってみよう~


事業計画書の作り方とポイント

歯科開業の資金調達に必須となる、事業計画に関連する情報については、過去にも複数紹介してきました。

【参考】
事業計画ノウハウ!自己資金を開業資金にあまり使いたくない場合のテクニック
今更聞けない事業計画!歯科開業の資金調達時によく出てくる言葉を解説
【開業費用リスト】歯科医院の開業にかかる費用はいくらなの?

今回は、事業計画を立てる前に、自分の開業資金がどれ位かかるのか?借入はどれ位必要なのか?などを算出できる、概算事業計画の立て方や作り方について解説していきます。今回の概算事業計画所では、以下サンプルを利用して、解説していきます。

> 概算事業計画書 サンプル

概算事業計画が簡単に作られるようになれば、本番の事業計画の作成もスムーズに進められるようになります。事業計画書の基本となりますので、是非一緒に考えていきましょう。

・概算事業計画の考え方の手順

概算の事業計画を立てる際には、先ずどの様なコストがかかってくるのかを考えてそこから月々の返済額を算出します。更に、最初に算出した費用に返済額を足すことで月々どれ位の固定費が必要になるのかを確認出来ます。

①家賃、人件費などの固定費を考えよう!
②設備投資と開業の初期費用を考えよう!
③借入額と返済額を算出し、返済額を含めた固定費を確認しよう!

それでは上記手順に沿って、それぞれのポイントをお伝えします。

①固定費の考え方 ~人件費や賃料などの固定費~

固定費の考え方 ~人件費や賃料などの固定費~

固定費とは月々確実にかかってくる費用を指しています。ここではまず月々かかる、家賃・共益費・人件費・水道光熱費などを含む雑費・ご自身の生活費を算出します。最終的には、この後に解説する借入返済額を合わせたものが月々の固定費の合計額になります。

新規開業時は、固定費を180~230万位に抑えてスタートされる方が一般的です。固定費の内訳参考も以下に紹介しておきますのでご参考ください。

【固定費の内訳参考例】
家賃:50万円
人件費:60万円 (DH1名、DA1名、パート2名程度 ※営業日数、診療時間による)
借入返済額:55万円
生活費:50万円
②設備投資と開業初期費用
・設備資金(15年)のもの

テナント開業での設備融資で、最も長い期間で借入出来る15年返済の枠があります。設備資金15年の借入は内装・外装看板などに適応されます。概ね、耐用年数が10年以上15年未満の設備に適応されます。15年で借入出来ることで、月々の返済額を抑えること出来ることが最大のメリットです。

・設備資金(10年)の考え方

設備10年の借入は、機材関係などの耐用年数が10年未満の設備にされます。ユニットやレントゲン、レセコンなどの設備が該当します。また、開業時における院内の備品なども設備資金10年のものとなります。

・運転資金(7年)の考え方

運転資金は、借入期間5年~7年となることが多いです。これは上記に記載した、設備融資とは異なり無形のモノについて適応となる借入です。用途は自由ですが、運転資金は事業を行う上で常に抱えている未来に対する立替金と同一です。項目としては、HP製作費、広告宣伝費、採用費、コンサル費などがあげられます。

・開業時の初期費用の考え方

開業時の初期費用の考え方

設備費(15年・10年)や運転資金(7年)のように、ご開院日を迎えるまでに発生する費用を総じて開業初期費用と言います。

【開業初期費用でよくあげられるもの】
・賃貸借契約に発生する費用
・内装、外装、看板工事で発生する費用
・大型機材で発生する費用
・その他諸経費(採用広告費用、セキュリティ等に関する費用、開業準備打合せ費用等)
③借入額と返済金額を算出し返済額を含めた固定費を確認しよう!

借入額と返済金額を算出し返済額を含めた固定費を確認

まずは、借入金額について銀行からの融資枠の目安を抑えましょう。新規開業時では、一般的に設備投資で5,000~6,000万円、運転資金で1,000~1,300万円、総額融資で7,000万円程度を融資限度とされることが多くあります。

また、借入の返済目安を知っておくのもご開業する時に開業収支の全体像をつかむ上で重要となります。借入額から返済額を算出する具体例を紹介しましょう。

【参考】仮入額100万円、金利2.0%とした場合の1ヶ月の返済額
・返済15年 6,485円
・返済10年 9,277円
・返済7年 12,876円

例えば、設備投資6000万円として(※1)借入をする場合、月々の返済額が481,236円(※2)となります。さらに、運転資金の借入1,000万円(※3)が必要であれば、64,380円となります。

※1(15年:保証金500万、内装・看板2,200万 10年:機材3,300万)
※2(15年:2,700万として175,095円、10年:3,300万として306,141円)
※3 (月額固定費200万とする)

算出した月々にかかる返済額を、①で算出した固定費に足してみると、実際に月々にかかる固定費の合計が確認出来ます。

歯科開業の事業計画書のポイントと注意点

ここまで、概算の事業計画書の考え方について紹介してきましたが、その他にも注意しておくべきポイントを紹介します。

1.売上計画は厳しく見ておく

事業計画書を作成する際は、今までのご自身の勤務キャリアをかんがみて「売上をどの程度見込むことが出来るのか?」「算出した固定費をクリアすることが出来るかどうか?」に注意してシミュレーションをしっかりと行ってください。月間の売上計画は次の通りで考えられます。

月間売上=1日の来院患者×1回の平均点数×月の営業日数
2.設備投資・経費は多めに考えておく

コストがかかる医院を想定しておく事で、医院の立ち上がりが、想定よりゆっくりだったとしても、慌てることなく対応できます。

3.与信取得は大きめにしておく

金融機関への与信枠を理解し、与信取得の申請額は大きく概算計画を組むことが大切です。ご開業の準備を進める中で金額が減額されていく分には問題ありませんが、いざ増額となった場合、再審査が必要になります。

増額となった場合、金融機関の視点では金融機関のリスクが高くなると同時に事業計画の見通しが甘いと判断され、追加融資が下りない場合があります。そうなると、必要な資金調達が出来ません。

そうならない為にも、与信取得ではギリギリの額で取得するのではなく、大きめの申請額で計画を組むことが大切です。

実際の歯科医院開業の際は、ご開業地の現地調査や診療圏分析に基づき、ご自身の売上実現性のある計画を立案し、設備についても見積もり取得し収支計画のバランスをみることが、とても重要です。

今回は事業計画書の概算計画について記載したしましたがいかがでしたでしょうか?インサイト主催のセミナーでも、事業計画や資金調達のポイントについて詳しく説明しています。

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また、ご開業規模や投資額は先生ご自身のビジョンによって異なります。個別のご相談も、もちろん可能ですので、ご自身の思いを計画にされたい方は、お気軽にお問い合わせください。

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