住宅購入と歯科開業どちらが先が良いのか?住宅ローンと開業資金から見たメリット・デメリット


住宅ローンと開業資金からみた住宅購入

歯科医院をもう少ししたら開業しようと考えている時に、多くの先生方が、住宅を購入するか?開業が先か?ということを悩まれます。マイホームを検討または購入される年代で最も多いのが30~40代の方。年齢的にも、開業を検討しはじめるタイミングと同じことが多いようですね。

住宅を購入するにしても開業をするにしても、自己資金がなければどちらもローンを組む方がほとんどです。ローンとなれば、その時々での融資審査があります。その為にも、住宅購入と開業どちらを先にしておいた方が良いのでしょうか?

それぞれの メリットとデメリットについて見ていきましょう。

○住宅を先に購入した場合

購入額や資産状況などにも応じますが、住宅は何千万という単位での購入金額になるので、金融機関から住宅ローンを借り入れ、月々の返済を行う方がほとんどでしょう。

住宅ローンでは個人の属性で返済能力を審査されます。歯科医師は比較的年収が高い職業になるので、物件の購入額が莫大、過去に返済事故がある、現在収入(職)がない、大きな借金を背負っている、などといったことでもない限りは、審査の心象も良いでしょう。

年収のほか、勤め先の経営状況、勤続年数、借入・完済時の年齢、健康状態、年収に対する返済の割合なども審査の対象になり、場合によっては連帯保証人や団体信用生命保険への加入などといった担保も必要になります。(詳しくは借り入れを行う金融機関などにご確認下さい。)

開業前であれば事業資金という大きな負担もなく、住宅購入の頭金を用意していれば手元の貯蓄も余力があるはずなので、比較的スムーズに住宅ローンを借りることができるでしょう。このように、住宅を先に購入する場合は住宅ローンを得やすいのがメリットです。

しかし、この後に開業しようと思った時が問題です。

開業にあたりほとんどの方が事業資金の借り入れを行いますが、融資を受けるにはお金をきちんと返せるかどうかが厳しく審査され、それができないと判断されれば金融機関はお金を貸してくれません。

借り入れから完済するまでにどれだけの額面を返済できるかは、その間の収入にかかってきますが、開業しなければ、歯科医師としての年収はおそらくそう大きくは変わらず、そこから計算できる収入=借入金の返済能力も上限がある程度見えています。

住宅を先に購入していると、ここから住宅ローンの返済額を差し引かれ、事業資金の返済額に充てることのできる額面はさらにぐっと下がるので、額面のバランスによっては返済が危ういとみなされる事があるでしょう。

特に勤務医として高収入を得ている方は注意が必要です。住宅ローン審査時にある程度保障された高収入で高額なローンを組んでしまうと、後の開業資金のローン審査時にはマイナスになる場合があります。なぜなら開業後は勤務医時の高収入は全く保障されていないからです。

このように、事業資金の融資を受ける際、住宅ローンの残債がデメリットになることがあります。

開業される先生からお話をお伺いする中で、資産として住宅を活用できるので開業より先に住宅購入を不動産屋から勧められた、などという話も耳にしますが、残債が多く残る不動産は資産価値がほとんど無く負債にしかならないので、こちらはあまりお勧めできる方法とは言えません。

また、住宅を購入してしまえば、その場所から医院に通勤する事になります。開業場所の選択の幅が大分絞られるので、その点でも大きな制約を受けるでしょう。

○歯科医院の開業を先にした場合

それでは、歯科の開業を先にした場合はどうでしょうか?

歯科開業に必要な資金と自己資金額」でもお話しましたが、歯科開業では最低でも5,000万円程度からの事業資金が必要になるので、余程の資産がなければ金融機関から融資を得るのが一般的な流れです。

事業資金の借り入れでは主として経営能力が審査され、新規開業の場合は事業の信頼性と将来性、返済能力(資産・担保)、本人の経営者としての資質などが審査のポイントになります。

もちろん個人の属性も審査対象となり、他に大きな借り入れがあると総合の返済負担が高くなり、返済できなくなるのでは?と見なされ、審査の上で不利になることがあります。(審査基準はご自身の環境や金融機関ごとの特性に応じても変わるので、一般論としてお考え下さい。)

どちらの負債も借り入れに不利なら、住宅購入か開業のどちらか一つしか選べないのでは?と感じるかもしれませんが、単純にそうとも言えません。

開業し経営が成功すれば年収(収益)が変わるので、開業の条件にもよりますが、経営が安定すれば繰り上げ返済なども鑑みて、10年前後で借入金返済を完了される方が多いようです。また、収益が残債を上回る見込みがついた時点で住宅購入も十分射程圏内に入るでしょう。

実際にコンサルティングの現場でお話をお伺いする限り、当社でご開業された先生は開業2~3年後に年商5~6千万でクリニック経営を安定させ、住宅を購入される先生も多くいらっしゃいます。

しかし、開業後の経営がうまくいかない場合は、住宅の購入はおろか、生活が苦しくなることも考えられます。キャッシュフローが立ち行かなくなれば黒字でも倒産し、収入が無いのに多大な借金を抱える事になるので注意しましょう。

開業を先にした場合、成功さえすれば年収がアップし、住宅の購入も可能になるのが良い点ですが、開業が成功するかどうかが確約されてないところが弱点でもあります。

住宅を購入して先にローンを組むか?開業してから住宅を購入するのか?それぞれに、良い面と悪い面がありますね。どちらを選ぶかは先生ご自身のライフスタイルとビジョンで何に重きを置くかが判断の基準にもなるでしょう。

また、このタイミングで「住宅と医院を一緒にするか?」ということも候補としてお考えの先生もいらっしゃるかもしれません。確かに居住兼用にすることで税金や諸経費が抑えられる面もありますが、開業を成功させた際の収益と比較すればそれは微々たるモノでしょう。

先ほども申し上げた通り、開業するのであれば何より収益(集患)を安定させることを第一とし、借入金の返済と貯蓄をしっかりと行って、ご自身のライフプランを実現するのが賢明です。

集患ができなければ安定的な歯科医院経営は望めませんが、住宅として住むことに適していて、かつ開業後に集患できる場所を探すのはなかなか難しいでしょう。さらに、賃貸テナントでの開業とは異なる知識やポイントがあるので注意が必要です。

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